地酒と料理のおいしい店 「どんど 堀留店」料理との相性を重視

1997.09.01 134号 10面

日本橋堀留町のビジネス街に位置する割烹料理店「どんど」堀留店は、木鉢うどんをはじめとする厳選素材を使った和食と地酒が売りだ。

どんどは、東京近郊で八軒の店舗展開をしているチェーン店。木目を生かした柱やテーブル、随所に飾られた切り絵などによる落ち着いた雰囲気は各店に通じる特徴だが、メニューは「各店長の独断と偏見によって大きく異なる」という。

例えば、日比谷店では秋田の比内鶏と名水を使用した親子丼、京橋店では本格的に日本酒にこだわるなど、各店思い思いの品ぞろえに力を入れている。

ここ堀留店では、料理だけでもなく酒だけでもない「料理と酒のコーディネート」にもこだわりをみせてくれる。

津田昇次店長は調理長も兼任しており、店長として利幅の大きい酒を、また調理長として思い入れの強い食をバランスよく肩入れした結果、これが店のカラーとなったようだ。

「いわゆる売れ筋商品以外は、お客様のリクエストや自分の好みでそろえた」という。素材重視のヘルシー料理と相性のよい辛口を中心に、二〇種類の地酒を取りそろえる。

ここに来る人は、体にいいものを食べたくて来るため、鶏肉、豚肉、ニラ、キャベツをギョウザの皮の代わりに湯葉でくるんだ「湯葉ギョウザ」(六〇〇円)や、季節の野菜を大量に盛りつけた「どんど風サラダ」(七〇〇円)など、あっさりしたものが多い。そのためさっぱりした口当たりの酒が主流だ。

よい酒が入ったときは、それに合う料理を編み出し、季節の料理を出すときは、相性のよい酒を提案してみるという。「昆布〆と八海山」「焼き鳥にはおたるワイン」など、具体的な提案ができるのも料理人ならでは。

「品数を増やすよりは、一五~二〇アイテムを保ちつつ料理とのバランスをとっていきたい」と店長。

酒だけでなく、かといって料理だけでもない。双方のコンビネーションを提案していくのが、どんど堀留店流なのである。

◆「どんど」堀留店(東京都中央区日本橋堀留町一-九-六、ゼネラルビルB1、電話03・3663・5234)=営業時間午前11時~午後3時、5時~10時(土曜・午前11時~午後2時)、日曜休み、予算四三〇〇円

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら