素材の持ち味を生かす白醤油 フランス料理や中華料理にも

1996.11.04 114号 8面

◇誕生は愛知で一七〇年前

一七〇年ほど前、愛知県碧南市で醸造を始めた新しいタイプの調味料「白醤油」。一九九五年度は、前年度より約三・七%アップの五三二四キロリットルの生産量をあげている。しかし、こいくち、うすくち、たまり、さいしこみ、しろを合わせた総量九二万八六八七キロリットルの中で、白醤油が占める割合ははわずか〇・五七%。前年度に比べると順調な伸びを示してはいるものの、まだまだだ。

◇断トツの二六〇八キロリットル生産

県別生産内訳を見ると、当然のごとく愛知県が断トツトップの二六〇八キロリットル。シェアは約半分である。続いて千葉、群馬、三重、秋田、大分、兵庫となり、全国でもこれら七県でしか生産していない。使い慣れた人にはこたえられないよい風味となり、特に地元では熱狂的なファンもいるが、全国的には今ひとつその名が知られていない。

◇粉末にし乾麺に練り込む

しかし最近、より香り高くうまみを引き出すための技術も高度に極められ、利用法も多様化してきた。大手食品メーカーから発売される新製品の中にも、白醤油をベースにした新しい食品が多く発売されている。さらに、フランス料理や中華料理に使われたり、乾麺メーカーが粉末にして乾麺に練り込むなど、ただ今マーケット拡大中だ。

そこで今回、愛知が生んだ調味料「白醤油」にスポットを当て、「白醤油」の良さはどんな点にあるのかを、実際に好んで使用している和食、中華、麺料理店の各料理長にうかがってみた。

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