月刊・漢方美人:ドキドキと動悸がします

2006.03.10 128号 8面

Q.近頃、ひんぱんに動悸がするようになりました。(40代後半女性)

A.動悸は心血不足(心臓のポンプ力不足と心臓の栄養不足)と自律神経の乱れが主な原因です。

◆病気ではないけれど

動悸という症状は若い人にも見られますが、一過性のものがほとんど。繰り返し起こるのであれば、年齢からみても、更年期の症状のひとつと考えても良いでしょう。

更年期とは、閉経の前後5年にわたる約10年間のこと。動悸は、更年期に入った人の約50%に表れる症状です。そのほかめまいやのぼせ、頭痛、倦怠感などの症状が出ます。中には心臓の病気ではないかと悩む人もいますが、病院では更年期障害と診断されることが多いでしょう。

動悸とは、心臓の鼓動を不快に感じる症状のこと。ドキドキしたり、胸がキュッとするなど感じ方はさまざまです。西洋医学では自律神経の乱れなどを原因とします。

更年期になり女性ホルモンが低下すると、分泌量を増やすよう脳下垂体が過剰に働きますが、それをコントロールしている視床下部は自律神経もコントロールしているため、機能に乱れが生じるのです。

◆中医学でしっかりケア

中医学では、動悸は主に心血不足が原因と考えます。また、加齢に伴い腎の機能が急激に低下し、その変化に身体が対応できないと、更年期障害といわれる症状がでてきます。動悸のほかには、潤いが不足し体内の熱を冷ましにくくなり、手足は冷えるのにのぼせたりするようなことも。

心血不足は、まず血を養うことが必要。鶏肉、卵、小松菜、なつめなどを積極的に食事に取り入れましょう。補腎にお勧めなのは、えび、いか、海藻、松の実。豆腐、れんこん、はちみつなどには潤いを補う作用があります。

生活面では、忙しいからとついつい頑張りすぎるのは禁物です。心にも休日を与えましょう。

心臓は、血流を送り出すという大切な役割を担った臓器。一秒たりとも休むことは許されません。日常生活からしっかりとケアしてあげましょう。

●オススメは『婦宝当帰膠』、『天王補心丹』

心血不足には補血作用のある当帰が主成分の『婦宝当帰膠』を。『天王補心丹』は加齢が気になる方の動悸にお勧めです。

●シノアカフェ なつめこしょう茶

<材料(1人分)>

・なつめ10個・水カップ2

・こしょう小さじ1・黒砂糖少々

<作り方>

(1)鍋になつめと水を入れ、弱火で10~15分ほど煮る。

(2)カップに煮汁をこしながら入れ、こしょうをふる。好みで黒砂糖を加える。

●東洋エクササイズ:動悸がする

自律神経の乱れを整えるには、内関(ないかん=ルビ、手のひら側、手首のシワ中央から親指2本ひじ寄り)、次に労宮(ろうきゅう=ルビ、手のひら側、人差し指と中指がおりてきた骨の間、一番窪んでいる所)を押す。ともに9回押して1クールを3回。女性の場合は右手が先、次に左(男性は逆)。

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