月刊・漢方美人:冷房で身体が冷え切ってしまう…
Q 会社の冷房がきき過ぎていて、身体が冷えきってしまいます。頭痛がひどくいつもだるいし、顔の色ツヤも悪いみたいです
A 冷房の温度差による体温調節機能の異常とお血(おけつ=血行不良)が原因
◆冷房病とお血
夏はある程度汗をかくのが自然なのですが、冷房のきき過ぎた部屋に長時間いたり、冷房のきいた部屋と炎天下の往復を繰り返していると、体温調節をコントロールする働きをもつ「気」の働きが低下し、気の巡りが悪くなります。気の巡りが悪くなると、全身へ酸素や熱・栄養を供給する血液の流れが停滞し( 血)、身体が冷え、頭痛・肩こり・生理痛などの痛みを生じ、いわゆる冷房病の症状を引き起こします。
さらに、冷房のきいた閉め切った室内は、乾燥が進み、慢性的な酸素不足の状態。これは身体や肌にとって過酷な状況です。顔色が黄色~青白くなり、ツヤも低下し、いわゆる「クーラー顔」となってしまいます。
◆冷房病を防ぐには
まず、冷房による冷えから身を守り、血行を促進することがポイント。血液の巡りを良くし、身体を温め、体力をつける薬として中国で古くから飲まれてきた婦宝当帰膠(ふほうとうきこう…ルビ)などが良いでしょう。
夏バテ予防の定番といわれる麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう…ルビ)は、汗やエアコンの乾燥などで失われがちなエネルギーと潤いを補う漢方薬。元気に夏を乗り切るために、併用することをお勧めします。さらに、日常生活においては、冷房の設定温度に注意し、体温調節ができるよう上着を携帯するなど、日頃の養生にも工夫が必要。また、冷えは足から入りやすいので、冷房の効いた場所では素足にサンダルはやめ、靴下を履くようにするなどの心がけも大切です。
◆オススメ漢方薬「婦宝当帰膠」+「麦味参顆粒」
身体を温め、血液の巡りを良くする婦宝当帰膠。冷房病による頭痛・生理痛、生理不順に。夏に失われがちな潤いとエネルギーを養う「麦味参顆粒」。クーラー顔や夏バテの予防に。
◆東洋エクササイズ
冷えているのにダラダラ汗が出る。表面からくる冷気に対しては自律神経のツボがポイント。イラストのようにイスに腰掛けて、内関(手のひら側、手首のシワ中央から6センチヒジ寄り)、曲池(ヒジを曲げた時できる大きなシワの端)を親指で押す。指だけで押すのではなく、リズムをとって前屈みになり、自分の体重をかけるように。
ともに女性は右腕から、次に左(男性は逆)。9回を3クール
◆シノアカフェ 今月のお茶「八宝茶(はっぽうちゃ)」
緑茶や青茶をベースにクコの実、白きくらげ、氷砂糖などをブレンドしたのが八宝茶。八宝とはたくさんという意味。甘みがあるので食後のデザートティーとして楽しめる。八宝茶の8種の茶葉には“身体のバランスを総合的に整える作用”がある。冷房病の原因である自律神経を整えたい時に