おはしで防ぐ現代病:がんに卓効!天然メシマコブ
病気を根本から改善したり、未然に防ぐには、私たちの身体に本来備わっている免疫力や自然治癒力の低下を防ぐとともに、さらに高める努力が必要。それには食事や運動、ストレス対策など日頃の努力に加え、自然治癒力を高める自然薬が有効だ。身体に本来備わった免疫システムを活性化し、がん細胞の増殖を阻止する効果が確認されている天然メシマコブについて、健康科学研究所の久郷晴彦所長に聞いた。
●メシマコブとは
メシマコブは、長崎県男女群島の女島で採れるキノコ。形がコブに似て、桑の木に寄生することからその名がつきました。椎茸など一年生のキノコと違い、直径三〇センチに成長するまでに二〇~三〇年、こぶし大になるにも約一〇年かかるほど成長が遅く、栽培も難しい。まして天然物の発見は非常に困難なため『幻のキノコ』といわれます。
旺盛な生命力で、寄生した桑の木の栄養をとりつくし枯らしてしまうため、養蚕業従事者はメシマコブを目の敵にしたそうです。
いま日本の天然メシマコブは絶滅に近く、中国・フィリピン・オーストラリア・ニューカレドニア・北アメリカなどが天然物の産地として注目されます。
●天然メシマコブの抗がんメカニズム
私たちの身体は、細菌やウイルスなど外からの異物侵入に対し、免疫系を活動させて防衛します。天然メシマコブには、免疫細胞のマクロファージやT細胞・NK細胞などを活性化し、人体の免疫力を高めるβ‐グルカンという成分が多く含まれています。
他にも天然メシマコブには、抗がん剤との併用で抗がん作用を増強し、副作用を軽くする効果も確認されています。また、旺盛に分裂・増殖を繰り返すがん細胞を自滅に追い込み、がん治療を促進することも京都大学農学部などの研究で確認されています。
さらに、疼痛や食欲不振・体重減少・疲労感など、がん特有の症状を緩和する効果も注目されています。がんの進行につれ、周辺の臓器が圧迫されて、痛みが全身に広がります。それを抑えるため鎮痛剤が多用されるのですが、天然メシマコブには細胞毒性がなく疼痛を和らげ、長期間使用しても安心です。
がん転移抑制も期待されます。ステロイドに似た物質で免疫力を低下させたマウスと、天然メシマコブを二週間与えたマウス、それぞれの腹中に腫瘍を移植し比較すると、天然メシマコブを与えたグループは、増殖が認められなかったといわれます。
天然であるため副作用の心配がなく、免疫力を高めるばかりか、がん細胞を自滅させる。私たちが本来持っているがん遺伝子を活性化させないために、天然メシマコブのこうした効果を、病気の予防や代替医療に使用することは大変効果的であると思われます。