ダインドクター食医寇&林(第1回)花粉症

2000.02.10 53号 12面

中医学では、古来「医食同源」ということわざがあるくらい食事療法を重視しています。「薬補は食補にしかず」、先に食物で治療し、それで治療できない時に初めて薬物を使う、中国の食思想をよく表した言葉です。

食生活が欧米化し、アレルギー疾患・生活習慣病が多くなる現代、薬膳は体質の改善、病気予防に優れた効果を上げています。

「五穀は養を為し、五果は助を為し、五畜は益を為し、五菜は充を為す。気味は合してこれを服し、以て精を補し気を為す」(『黄帝内径素問』)。

今回から季節に合わせ、病気の予防のための食養薬膳という中医栄養学を連載でお話していきます。

春の花粉症が年々増えていますね。中医学の「鼻き」という証の臨床所見は花粉症にとても似ています。日常の食事で花粉症を予防し、アレルギー体質を改善していきましょう。

花粉症はアレルギーI型反応で、中医学から見れば気虚、水分代謝が悪い人が花粉症にかかりやすい。花粉症の本態は気の虚弱なのです。気、すなわちエネルギーが足りないと、水分の代謝は乱れ、水分が滞ると鼻水が出る。鼻は肺と密接な関係にあり、特に肺の機能低下は花粉症の直接の原因になります。

アレルギー体質を持つ人は気を消耗しないようになるべく身体と心を疲れないようにする。気が虚弱すれば水が滞りやすい、というわけです。

食物の禁忌としては冷たい食べ物、飲み物を控えた方がいいです。

●オウギまんじゅう●シベリア人参●シベリア霊芝●補中益気丸

●「オウギ」は肺脾の気を補い、疲れを取り、くしゃみ鼻水などを緩解する。非特異性免疫反応を増強し、虚弱体質を改善することによって、花粉症の再発を予防できる。サポニン、アミノ酸及び葉酸などを含み、注目されている。

●「シベリア人参」は脾臓の気を補い、体力低下、機能性低下、インポテンツ、胃腸虚弱を改善する。酷寒の北方にできた食物として生命力が強く、体質を増強する。身体に有害な刺激に対する非特異的な抵抗力を増強する。アダプトゲン(環境適用原)作用を持ち、自律神経を整える働きがある。

●「霊芝」といえば、滋補強壮。過労、不眠、虚弱体質などに効果がある。シベリア霊芝は一五種のアミノ酸を含有しているので、呼吸器系のアレルギー疾患によい。

●「補中益気丸」はオウギ、人参を中心として、気を為す中成薬で、気虚体質によく効く。

●ヨクイニン生姜スープ●イーパオ

●ヨクイニンはイネ科の植物ハトムギの種仁。脾を丈夫にし、体内の余りの湿を除き、鼻水、くしゃみなどを治す。生姜は調味の素材としてよく使い、水湿を散し、花粉症を予防する。水様、透明な鼻水、くしゃみにも効果を表す。

●イーパオは食用蟻、ヨクイニンなどの製剤で、中国で大変なブームとなっている。腎を丈夫にし、湿を除き、アレルギーに効果がある。

●板藍根●板藍のど飴●天津感冒片

●花粉症の目の充血、眼の腫れ、かゆみ、のどの痛みなどにアブラナ科の板藍の根である板藍根は効果がある。風熱を除き、眼の腫れ、のどの痛みを速やかに改善する。板藍のど飴は子供にも舐めやすい。天津感冒片は金銀花(スイカズラ)と連ぎょう、薄荷(ミント)が中心。目の充血、かゆみ、涙、のどの痛みに効く。

◆花粉症の薬膳料理

<材料・4人分>

・オウギ………………20グラム

・小麦粉…………450グラム

・砂糖……………100グラム

・ベーキングパウダー

………………………45グラム

<作り方>

(1)オウギをミキサー(ミル)を使って粉末にしておく。

(2)小麦粉、ベーキングパウダー、砂糖を合わせよく混ぜる。水(分量外)を少しずつ加えながら耳たぶの柔らかさにして(1)を加え、さらによくこねる。

(3)(2)を約40グラムずつにわけ、円形に整える。

(4)五分ほど寝かせた後、皿ごと蒸し器に入れ約二〇分蒸し上げる。

<材料・4人分>

・ヨクイニン…………30グラム

・黒豚上挽肉……250グラム

・卵……………………1個

・醤油……………大さじ3

・片栗粉…………大さじ2

・塩……………………2グラム

・長ネギ…………1/2本

・生姜…………………50グラム

・ほうれん草…………16本

・水………………1・5リットル

<作り方>

(1)ほうれん草を洗っておく。

(2)ヨクイニンをミキサー(ミル)を使って粉末にする。

(3)(2)と豚挽肉、片栗粉、塩、醤油、卵を合わせよく混ぜ合わせる。

(4)ネギは小口切りにして(3)に混ぜる。

(5)生姜をすり下ろし汁をしぼっておく。

(6)中華鍋に水を入れて強火にかけ、沸騰したら(3)の肉をスプーンを使って丸く形を整え鍋に入れる。浮き上がってきたら(5)と(1)を加える。

◆プロフィル

中国・武漢生まれ。1982年湖北中医学院大学院卒業。1985年湖北中医薬研究院講師。1990年に来日、筑波大学・東邦大学を経て、現在、李時珍国医研究所所長。医学博士。「中医昇降学」「中医免疫学」など著書多数。

林建豫(りん・けんよ、湖北省武漢市・同済医科大学講師)氏は夫人。

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