世界の3大料理の一つトルコ料理 アジアとヨーロッパの融合点

1999.04.10 43号 16面

多くの名所、建造物を持つトルコは観光地として人気の国。地中海、エーゲ海、黒海の三つの海と、豊かな自然に恵まれた美しい国だ。この国随一の商業都市でアジアとヨーロッパの二つの文化の融合点となるイスタンブールにはコーランの音が響きエキゾチックな雰囲気が漂う。トルコは野菜類、果実類、豆類の産地として、優秀な農業国。ダイエット食として名高い地中海料理はトルコ料理も含む。そうとなれば当然、かなりのヘルシー食だ。あなどれないぞトルコ!イスタンブールの食から紹介しよう。

トルコ料理はフランス料理、中国料理と並ぶ世界の三大料理のひとつとされている。その理由はテーブルいっぱいに並べられるメゼの種類の多さにもあるようだ。メゼとは豆をつぶしたペーストやヨーグルト料理、そして昔から健康増進作用があると伝えられているオリーブオイルをたっぷり使った野菜中心の料理。

トルコは農作物が自給自足できる数少ない国のひとつでもある。オリーブオイルはスペインに次ぐ第二位の生産量。土壌、気候に恵まれた国の野菜は新鮮で味が深い。トルコ料理の旨さはその食材の旨さでもある。

トルコ人の九九%はイスラム教徒。そのためトルコ料理では豚肉は使わない。肉は羊か鶏、ちょっとぜいたくな存在の食材が牛肉。よく知られている「ドネル・ケバブ」は、薄切りの羊肉を重ね合わせて巨大な塊にしたものを回転させながら焼き、逆方向の薄切りにこそぎ取るとなんと一枚の肉に。これを野菜と一緒にパンにはさんで食べるサンドイッチだ。

もう一つイスタンブールのガラダ橋名物だというサバサンドは、焼いたサバにタマネギのスライスやトマトなどの野菜をはさむ。これに自分で塩、コショウ、レモンをたっぷりかけて食べる。骨があって食べにくいのが難点だが、意外に美味。

ヒゲ面にハゲ頭、目鼻立ちのはっきりしたこわおもて顔のトルコのオジサン。でも片手には小さな可愛いチャイグラスが…。そう、トルコ人はみんなチャイが大好きなのだ。

この「チャイ」という言い方にこそ、トルコがアジアである証明だという説がある。お茶の呼び方が「T(ティー)」から始まるのがヨーロッパ。「C(チャ)」から始まるのがアジア。もちろん日本は茶(チャ)だからアジア。うーん、だったら確かにトルコもアジアだ。

トルコの人に健康について気をつけていることは?と聞いてみた。「食べ過ぎ、飲み過ぎに注意すること。トルコの料理はおいしいから食べ過ぎちゃうし、チャイは一日一〇杯は飲んじゃう。ヘルシーな食材ばかりとはいえ…過ぎてはね」。やはりトルコはあなどれない!

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