「老化制御」もう手の届くところまで、日本老化制御研究所・越智所長に聞く

1998.12.10 39号 15面

「歳をとらない」、すなわち老化制御は人類最高・最強の願望であるはずである。この研究分野でのわが国の第一人者、世界的にも著名な越智宏倫氏(日本老化制御研究所所長)に話を聞いた。

結論から申しまして老化制御はもう手の届くところにまできております。この研究に携わってもう一四年にもなりますが、もっとも米国などでは制御などという言葉はおかしい。人間は死ねば天国に行くのになぜ制御するんだとかつていわれたものでしたが、自動車でも制御すれば事故は起きません。

僕は老化制御を研究するような運命にあったんです。学生時代に沖縄に行きました時、持病の喘息が出てしまいました。その時、同級生の母親が壷のようなものに入ったスープを持ってきて下さった。中身は豚のレバーにたくさんの野菜、さらにニンニク、ニガウリなどの入ったスープでした。少々気味が悪かったんで嫌々飲んだのですが、たちまち回復しました。帰りまして若鶏のレバー、ニンニク、食用酵母を加えたものを考案、いまでも一貫してこれを続けております。これが若返り科学物質を見つけるキッカケともなっております。

なぜレバーが良いのか、野菜が良いのか、これはすべて抗ガン物質、抗酸化物質が入っているからです。

ところでストレスには笑う、ということが一番の特効薬なんですが、それに色と光で免疫を強くできるんです。

現代人間科学研究所所長の飛岡健さんと「笑いの博物館」という本を発刊しました。岡山大学の医学部でガン患者を吉本興業にお連れして、いつも笑わせていたらガンの治療率が上がったのは有名な話です。

そこで、飛岡先生と笑いの博物館をつくろう、と計画しているんです。これは、地域おこしにも通じましょう。例えば年に二回、そこで大笑いのコンテストや、美人を集めて微笑のコンテストを開くんです。TV局も新聞も雑誌も来るだろうし、間違いなく地域おこしになりましょう。

この笑いの測定機器も僕のところで開発中です。本当に心から笑っているかどうかを測定できるものです。

いずれにしてもライフワークは老化制御です。八五歳になって仮に無一文になってもこれを完成させ、人類の健康に貢献したい、と願っております。

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