新刊紹介『不安でたまらない人たちへ・やっかいで病的な痔を治す』草思社

1998.08.10 35号 17面

強迫神経症、あるいは強迫性障害という病気は皮が赤むけになっても手を洗うことをやめられないとか、鍵や火元が心配で何度も確認せずにはいられない、といった不安にとりつかれてある行為を病的に繰り返すという。これは青年期頃に発症し、一生続くやっかいな病気で、かつては珍しく変わった病気だと思われていて、効果的な治療法はこれまでなかった。ところが現在ではアメリカで四〇人に一人、五〇〇万人以上の患者がいるといわれている。

本書は強迫性障害の世界的権威である著者が、深刻な障害に苦しんでいる人から摂取障害やアルコール・薬物中毒といったやっかいな悪癖・習慣に悩む人まで幅広く応用可能な「四段階自己治療方式」という行動療法について紹介している。

第一段階ではラベルを貼り替えるとし、病気と自分の意志とを明確に分ける。

第二段階では原因を見直す。第三段階では関心の焦点を移す。第四段階では価値を見直す、という治療法を紹介している。

自分の中に巣くっている不安や不健全な考えを解決し、毎日のびのびと生きるために役立てることのできる比類のない一冊だ。

・定価:本体一九〇〇円(税別)

・体裁:三一〇ページ

・著者:ジェフリー・M・シュウォーツ

・訳者:吉田利子

・発行者:(株)草思社

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