みんなの相談室 牛乳の成分無調整ってどういう意味?

1997.01.10 16号 12面

子どもが三人いるわが家では、牛乳の消費量は大変なもの。毎日のように買い求めますが、種類が多くて迷ってしまいます。3・5牛乳や4・2牛乳と表示があるにもかかわらず「成分無調整」とあるのは、調整しなくとも均一化されるのでしょうか。動物からとれるものなのに、不思議です。

まず、どれを選ぶかですが、牛乳容器の一括表示欄には種類別名称と成分表示などが記されており、この表示を見るとどんな中身の牛乳だかわかります。

最初に種類別名称です。牛乳は「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」(乳等省令)と「飲用乳の表示に関する公正競争規約」によって六つの種類に分けられ、それぞれに成分規格が定められています。よく目にするのは種類別「牛乳」「加工乳」「乳飲料」の三種類。

1、牛乳…乳牛から搾った乳を加熱殺菌して容器に充填したもの。水や一切の添加物を混ぜることは禁じられています。

2、加工乳…生乳とクリーム、バターや脱脂粉乳などから作ります。濃厚な風味を好む人は脂肪分の多い濃厚タイプを、ダイエット中の人やカロリー制限している人は脂肪分の少ないローファット(低脂肪)タイプを選ぶといいでしょう。

3、乳飲料…生乳、乳製品の他にビタミン、ミネラル果汁、砂糖など乳製品以外のものを加えたものを指します。カルシウムなどを加えた栄養強化タイプと果汁やコーヒーを加えた嗜好タイプがあります。

次に成分表示です。表示には無脂乳固形分と乳脂肪分が表示してあります。無脂乳固形分とは脂肪分以外の乳固形分でタンパク質、糖質、ミネラル、ビタミンが含まれます。種類別「牛乳」の多くは無脂乳固形分8・3%以上、乳脂肪分3・5%以上のものです。よく目にする3・5、4・2といった表示は、この乳脂肪分を示したもの。

もう一つの質問ですが、「成分無調整」とは牛乳の脂肪分を調整していないもの。疑問を持たれた通り、生乳(牛から搾ったままの乳)の成分は、乳牛の品種、個体、飼料、地域、季節、泌乳期などで変動があり、とくに夏より冬の方が脂肪分、無脂乳固形分が多少多くなる傾向があります。しかし現在は生乳そのものの品質が良くなり、ぶれが少なくなりましたので、調整することはほとんどありません。

消費者の自然志向の高まりの中で、「成分無調整」と銘打った牛乳がありますが、これは法的に定められた表示ではなく、商品の特徴を説明したものです。「成分無調整」と表示がない牛乳でも、実際には無調整のものが多いのが現状です。表示があるもの、ないもの、明確な違いはありません。

指導・日本乳業協議会

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら