メニュートレンド:驚きの“泡”+“泡”のスープ 「ふく流らーめん轍」

2015.07.06 436号 02面
「味玉ふく流らーめん」(850円)。トッピングは、レアチャーシュー2枚、味玉、白ネギ、水菜。麺量130g。※味玉抜きは100円引き

「味玉ふく流らーめん」(850円)。トッピングは、レアチャーシュー2枚、味玉、白ネギ、水菜。麺量130g。※味玉抜きは100円引き

 ランチタイムに入るとすぐに行列ができる、大阪・本町にある「ふく流らーめん轍(わだち)」。“泡”をラーメンに取り入れた、ユニークな姿とおいしさで、近隣のビジネスマンを中心に利用客を伸ばしている。開店1年にして人気店に成長した、その秘密を取材した。

 ●ユズ風味で濃厚さとあっさり感 食の安全にもこだわり提供

 昨年3月の開店以来、「“泡のラーメン”があるらしい」という口コミが広がった、「ふく流らーめん轍」。大阪の有名店店長から独立した、福山修司店主のこだわりを表現した店である。

 同店では、ラーメンメニューが3種類あり、“泡のラーメン”とは、客の6割がオーダーする「味玉ふく流らーめん」(850円)のこと。「若者だけではなく、年配者にも食べてもらえるラーメンを目指した」という、クリーミーな濃厚さとあっさり感が融合した看板メニューである。

 同メニューでまず驚かされるのが、カプチーノのような形状。スープは、全体に泡立った白色で、さらにユズ風味のエスプーマがのってくる。食べ始めると、スープとユズの風味が徐々に出合い、さっぱりとした味わいへと変化していく。スープの下には、中細のストレート麺が潜み、食べ進むうちにスープは茶色に変わっていくが、最後まで飽きずに楽しめる。

 スープの製造には圧力寸胴を導入し、大量の鶏がらと少量の豚骨を130度の高温で煮出して乳化スープを作る。オーダーごとに、このスープに醤油を合わせ、ハンドブレンダーでしっかりとミキシングしてもう一度泡立たせれば、スープの完成である。さらに、ユズの泡をトッピング感覚でプラスする発想が、ほかにはない風味のラーメンへと導いている。

 また、同店では、低温調理でしっとりと仕上げる、自家製のレアチャーシューも好評で、「レアチャーシュー丼」(350円、ランチセットは250円)にもエスプーマを活用。たれを泡状にしてかけることで、液体のたれとは一味違う楽しみ方を提案している。

 そのほかのラーメンメニューでは、「味玉煮干醤油らーめん」(780円)があり、こちらは魚介だしの味わい深さが魅力。また、独特のパンチ力ある混ぜそば「マゼニボジャンキー」(800円、正午~午後2時は提供不可)もファンが増加中だ。

 同店では、化学調味料や中国産食材は使用しないのがモットー。安心感ある食の提供で、ラーメンに持たれがちなジャンクフードのイメージを覆していきたいという。また、券売機を置かず、丁寧な接客を心掛けているという点にも好感が持てる。今後のメニュー開発とともに、店舗展開にも注目していきたい店である。

 ●店舗情報

 「ふく流らーめん轍(わだち)」 所在地=大阪府大阪市西区西本町1-8-2 三晃ビル旧館102/開業=2014年3月/営業時間=午前11時~午後2時30分(LO)、6時~9時30分(同)。月末最終日のみディナータイム休み/席数=カウンター11席/1日平均客数=約160人/平均客単価=900円

 ●愛用資材・食材

 「ゆず果汁100%」 大徳(大阪府守口市)

 「味玉ふく流らーめん」のアクセントになるユズエスプーマで使用するのが、徳島県産のユズから抽出した「ゆず果汁100%」。同商品に魚介スープなどを合わせて調味し、エスプーマ専用機器で泡状にして盛り付ける。風味のポイントとして、開業時から愛用する商品である。

 規格=1.8L

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