メニュートレンド:「一口餃子」を一枚板に焼き上げる 一口餃子酒場BLG

2017.09.04 463号 27面
手前が「BLG餃子」、奥が「ねぎ塩明太マヨ餃子」。ドリンクは生キウイサワーで価格は600円

手前が「BLG餃子」、奥が「ねぎ塩明太マヨ餃子」。ドリンクは生キウイサワーで価格は600円

 ギョウザをつまみにアルコールを楽しむギョウザ酒場がブームだ。万人が好む大衆食の代表格であるギョウザゆえ、万人に受け入れられる間口の広さでヒットした反面、ここ数年は個性化が打ち出しにくくなっている。その中でユニークな形状のギョウザをアピールして若い女性を中心に絶大な支持を獲得しているのが東京・新宿の「一口餃子酒場BLG」だ。

 ●10種超のギョウザで女性客を心をつかむ インバウンド狙いの新商品も開発

 同店のギョウザが、ひと口ギョウザのメッカ大阪や福岡のものと大きく異なるのが6~8個のギョウザが1枚の板状になった状態で提供される点だ。

 「ギョウザを焼く工程で片栗粉を溶いた蒸らし水を大量に注ぎ入れることで1枚板にくっついた状態に焼き上げます」と中島直也店長は説明するが、ギョウザがちょうど焼き上がるタイミングで板状に固まるところにノウハウが詰まっている。この羽根のパリパリとした食感と餡(あん)のジューシーなうま味の組み合わせでアルコールの進むつまみとしてのギョウザとなっている。

 餡は国産豚のひき肉がベースだが、唐辛子や麹など20種類以上の調味料を配合してピリ辛に仕上げた自家製醤を加えてビールに合う味を追求したオリジナリティーの高い味わいだ。

 ギョウザのラインアップは「BLG餃子」など焼6種、「THEパクチー餃子」など、ゆで3種、「トマト&クリームチーズ」など揚げ2種で、価格は390~590円。これに本日のお薦め数種が加わってギョウザ専門店ならではのバリエーションを打ち出しており、平日ディナータイムの来店客の7割が20~30代の女性、週末は買い物ついでに訪れるカップルやファミリーで連日にぎわっている。客1組あたりのギョウザ注文数は4品におよび、主力商品のBLG餃子だけでも1日70皿を売る。

 店名の「BLG」はビア・ラブズ・ギョウザの略で、コンセプト通り常時6種類の生ビールを揃えている点も見逃せない。また、女性客が多いことからフルーツの果肉を入れたオリジナルサワーも人気だ。

 BLGの前身は同じひと口ギョウザを看板商品にした「一口餃子専門店 赤坂ちびすけ」。現在も都内を中心に5店を展開しているが、同店のみ売上げが伸び悩んでいたことで業態転換を決意。ギョウザ1個の餡を8gから13gに増量する一方で客単価を3500円から2000円台に引き下げた結果、客数が2倍近くに伸張した。

 ギョウザについては新商品開発にも積極的で17年6月から投入したのは「ソイミート餃子」(8個・440円)だ。餡に使用する豚肉を大豆ミートに置き換えたギョウザで、カロリー約20%OFFを実現。「ソイミート餃子を売り出して、ベジタリアンやハラルといった訪日外国人観光客の集客を増やしていきたい」と中島店長はインバウンド客の開拓に意気込む。

 ◆店舗情報

 「一口餃子酒場BLG」 経営=SOBO/店舗所在地=東京都新宿区西新宿1-15-13 西新宿島田ビル地下1階/開業=2015年3月リニューアル/営業時間=昼:午前11時30分~午後2時30分(L02時)、 土・日・祝 正午~3時30分(LO3時)、夜:午後5時30分~11時(LO10時30分)、金・土 午後5時30分~11時30分(LO11時)、無休/坪数・席数=15坪・30席/1日平均客数=100人/平均客単価=昼800円、夜2500円

 ◆愛用資材・食材

 「めんたいマヨネーズタイプ」 やまや(福岡県福岡市)

 明太子の主張が強い

 「ねぎ塩明太マヨ餃子」に同店が愛用しているのが明太子の老舗やまやの「めんたいマヨネーズタイプ」だ。明太子の主張が強いピリ辛味がクセになる一品で、ドレッシングやディップなど多様な使い方が可能だ。

 規格=300g(常温)

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