アパレルに学ぶ盛り付けのヒント:ビジュアルで訴求する“コト”提案が重要

2017.12.04 466号 06面

 ファッション分野ではEC(ネット通販)の拡大に伴い、実店舗や商業施設で、“モノ”だけではない、消費者の体験を重視した“コト”提案が重要になっています。

 9月26~28日、東京ビッグサイトで開かれた合同展示会「JFW-IFF・Magic(繊研新聞社・UBMジャパンの共催)でも、出展者は実演や機械の活用などさまざまな工夫を凝らしたVP(ビジュアルプレゼンテーション)により、コト提案を見せました。

 「アートスペースマル84」のライブペインティングでは、3人のアーティストがTシャツにシルクスリーンプリントをしたり、壁面にアートを描きました。「アートとファッションの融合」を目指しての演出です。

 本格的なアート作品が存在感を放ったのは、「武蔵野美術大学空間演出デザイン学科」。クラッシュ加工を施したGジャンにシリコンを付着させて固定した服や鉄無垢(むく)の棒を溶接し、コンクリートブロックと合わせて作った什器など学生が手掛けた作品を展示しました。

 複数の“前掛け”が目を引いたのは「エニシング」。愛知県豊橋の自社工場にある旧式の織機で織る前掛けを陳列すると同時に、真っ白な布に自社工場での物作りの様子を投影し、職人の丁寧な仕事ぶりを見せました。

 今春にデビューしたランニングシューズ「メディフォーム」は高い衝撃吸収性、反発弾性が持ち味。実際に商品を試し履きし、ブースに設置されているランニングマシーンで快適な履き心地を体感できる仕掛けでした。

 (繊研新聞 本社編集部長 矢野剛)

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