’95外食産業今年の決め手 淘汰の時代 低価格レストラン
(株)すかいらーくが業績悪化立て直しのためのリストラの一環として打ち出した「ガスト」は、外食ニーズの二極化を決定づけた。他社もメニューを絞り込んでサービスを簡素化、一八〇円ホットドリンクバーなど、その手法も交え低価格ゾーンに追随、客単価八〇〇円台というテーブルレストランの新価格テーブルを形成したことは周知の通り。
しかし、九三年夏の茅野社長の「腹を決めた」という決断は、ガストブームを巻き起こすと同時に、一年半後の今日では、そのインパクトは薄れ、なんら珍しくなく、日常の外食行動の中に同化してしまった。今年は低価格レストランの質が問われ、淘汰の時代に突入する。急先鋒ガストは早くも二一世紀に向けてのレストランづくりに着手、「地域と密着、コミュニティー広場」をコンセプトにさまざまな実験を開始、追っ手の他社から一馬身抜きん出ようとしている。
ガスト小金井本町店では入り口で白のブラウスにグレーのスカートとベストの「サービスコンシェルジュ」が「いらっしゃいませ」と迎えてくれる。彼女の役割はシネマの操作と通常の店のオペレーション以外のお客様への対応。「地域と店が対話するコミュニケーションの窓口的役割」(同社)を果たす専任スタッフ。昨年暮れの時点で、シネマを設置するガスト三店に配属。
七〇インチという迫力のビジュアル&サウンドシステムのレストランシネマは、現在四〇店に普及しており、今後積極的に増やしていく。小金井本町店ではこのシネマ機器をコミュニティーの武器として最大限の利用法を模策中。通常の週替わりの上映映画のほか、スクリーンによるオリジナルCMを募集。企業広告、子供の誕生祝い、サークル活動の案内、募集など、地域ならではの情報提供を提案している。料金は一コマ二〇秒静止画像一日四回以上で一日八〇〇円、一週間三五〇〇円、一ヵ月一万円。
また、同店をキーステーションにしたサークル「ガストサークル」を企画、メンバー募集や場所の提供、運営資金のサポートなど、サークル活動をバックアップする。登録者にスタンプカードを提供。五〇〇円ごとにスタンプ一個、二個で五〇〇円相当の食事券かサークル活動費用に積み立てという仕組み。五日間で二〇〇件の反響があったという。
ガストは低年齢者層の利用が多いと言われるが、二一世紀の高年齢社会へも対応できる小商圏型地域割りレストランを目指している。レストランとしてのブラッシュアップもモーニングブッフェ、新ユニフォーム、有機野菜利用など、ニーズをキャッチして新たな需要掘り起こしを行い、低価格レストランの新たな可能性を追求する構え。















