惣菜弁当研究所:ローカル名物紀行 大阪王将「肉餃子(No.130A)」 ブランドシールが強い味方
◇抜群の知名度生かす
1969年に創業し、今年で50周年を迎える「大阪王将」。創業の地・大阪を中心とした全国各地に351店舗、海外にも46店舗を展開しているギョウザ専門店の人気チェーンだ(18年9月現在)。その抜群の知名度を前面に打ち出し、「大阪王将」シールをパッケージに貼付したギョウザがSMで広く販売されており、安定した人気を誇っている。
●発祥と普及:実店舗と少し異なる味付け
「大阪王将」店舗で提供しているギョウザを、さらに幅広いチャネルで親しんでもらうべく、量販店向けの市販を開始したのが2001年。市販品は材料に鶏肉も加え、万人が食べやすい味付けにしている。12年には業務用商品を本格展開し、惣菜売場で「大阪王将のギョウザ」が並ぶようになった。「大阪王将」店舗ではチルドギョウザを調理しているが、業務用商品はすべて冷凍品。店舗の味を再現しつつ、業務用としての完成度を追求し、味が少し異なる。
●調理概要:ホットプレート調理でOK
専用の焼成器とホットプレートのどちらでも調理可能で、「焼き方マニュアル」あり。ギョウザが3分の1つかる程度の水を注ぎ、約5分間蒸し焼きにする(調理機器により多少異なる)。火力の弱いホットプレートでもおいしく焼き上がるよう、「大阪王将」店舗で販売しているギョウザが1個約23gなのに対し、業務用の同品は17~20gとサイズが小ぶりになっている。
●販売概況:9割が大阪王将シール貼付
数ある業務用ギョウザ商品の中でも、同店のギョウザというのを示す「大阪王将」の店頭パックシール付き「肉餃子」はSMを中心に最も人気で、年間で約1億円売り上げている。しかし、店頭パックシールは、実は大阪王将の実店舗が集中する近畿圏のスーパーでは実店舗と競合することから貼付NGに(2018年時点の情報)。それ以外の地域ではシールの利用は各スーパーの判断に委ねているが、約9割の店舗では貼付して販売している。
●ポイント:「あのギョウザ」という安定感
何といっても「大阪王将」の認知度とブランド力は大きい。「最近の市販惣菜のギョウザは、どれもレベルが高い。しかし、当社のギョウザは味の自信もさることながら、『あの大阪王将のギョウザ』という安定感が何よりの強みになっている」と、同社広報は胸を張る。特に、一人では「大阪王将」店舗を利用しづらい女性客などに好評。同社では、「より店舗の味に近づけ、業務用ギョウザの中で一番おいしい味を目指した」(同社広報)という、「業務用こだわり餃子」にも現在、注力している。
●「肉餃子(No.130A)店頭パックシール付き」
販売実績:年間・約1億円(卸売)
◆企業概要
製造:大阪王将
経営:イートアンド(株)
「東京ヘッドオフィス」所在地:東京都品川区東品川4-12-8品川シーサイドイーストタワー15階