2018年度食育白書 21施策目標を5項目前倒しで達成
政府が4日に公表した平成30年度(2018年度)の食育白書では、令和2年度(20年度)での達成を目指した21の施策目標のうち「伝統的な料理の継承」など5項目を前倒しで実現させ、10ポイント以上差がある目標は「食育に関心がある国民の割合」など4項目となった。食育は着実に定着しているが、課題も残っていることが浮き彫りになってきている。
食育白書は食育基本法に基づいて毎年発行、5年ごとに見直される食育推進計画の結果なども含まれる。現行の第3次食育推進基本計画は16年度から20年度までを対象にし、(1)若い世代を中心(2)多様な暮らしに対応(3)健康寿命の延伸につながる(4)食の循環や環境を意識(5)食文化の継承–での食育の推進を重点課題としている。
18年度までの結果では若い世代や食文化の継承の課題は達成済みで、塩分と脂肪分を削減する企業の取組みが増えている。だが、食育に関心を持っている割合が横ばい傾向にあるなど全体的な課題も見えてきている。
20年度の目標との差が10ポイント未満の目標のうち、「『朝食を欠食する児童の割合』が5.5%(目標は0)」「『学校給食に地域農産物を使用する学校の割合』が26.4%(同30%以上)」「『食品ロス削減のために何らかの行動をしている国民の割合』が71.0%(同80%以上)」などは基準年である15年度よりも下がっている。白書では「課題がある」と述べるにとどまっている。(伊藤哲朗)