10月8日。今日はようかんの日
10月8日はようかんの日。煉ようかん発祥の地とされる和歌山県で菓子店・紅葉屋本舗を営む坂井良雄氏が制定した。
もともとは羊の肉で作られていたようかん
喫茶の習慣が中国から日本に伝えられたのは奈良朝の初め1190年頃、禅宗の僧侶であった栄西禅師が茶の苗木を持ち帰って植えたことによるとされる(自生説もある)。その喫茶の習慣が広がるのが「茶道」の発達だが、茶道には「点心」という軽い食事がつきものであった。 点心には、羹(かん)類やめん類、まんじゅう類があったが、これらが和生菓子に大きな進歩をもたらした。羹(あつもの)とは、汁と考えてよいが、いのししの肉や鶏肉、魚などさまざまな具が使われ、48もの種類があったという。
そのなかのひとつ羊かんは、羊の肉が使われていた。当時日本人は獣肉を食べない習慣であったところから、肉の替わりに肉に似せて、小麦粉や小豆粉を練ったものを入れていたが、その団子状のものを汁に入れずに食べるように変化したものが“羊羹(ようかん)”であり、当時は蒸してつくるものであった。
これが羊かんの原型となるわ けだが、ほかにもまんじゅう類やせんべい類など点心に用いられた食べものが菓子に変化して、生活のなかに根づいていくことになった。
(日本食糧新聞社『食品産業事典 第九版』(引用箇所の著者:全国和菓子協会 藪 光生))