惣菜弁当研究所:ローカル名物紀行 沖縄学メシ弁当コレクション(前編)
沖縄弁当の基本形 ご飯におかずをのせた琉球幕の内
沖縄“丼”弁当の基本形 カラシナ・ニンジン・フライの3色丼
弁当R2 南部農林高校付近
サンバのような音楽がズンズン
沖縄メジャーのアンチテーゼ「ドライカレー弁当」
牛肉とチキンの交換で2倍の味わい
マミー弁当 北谷高校付近
ひき肉の二大スターが夢の共演
南農前商店 南部農林高校付近
長寿県の誇り保つ理想的バランス
◆嗜好と満腹を両立する最強お値打ち弁当
沖縄県の高校には学生食堂が少ないため、どの高校にも付近に学食代わりの弁当店があり、店頭のほか、校内に出張して弁当を販売している事例が多い。学生ご用達なだけにコスパは抜群。日替わり中心なので商品名は、ほぼ「弁当」。個人店による無添加・手作り・作りたてには、育ち盛りへの親心が凝縮されている。卒業生からも根強く支持されている沖縄学メシ弁当をご紹介!
(取材期間:2019年1月10日~9月30日)
●沖縄弁当の基本形 ご飯におかずをのせた琉球幕の内
「弁当」 税込み400円/約497g 弁当R2(豊見城市)
おかずのメインは「ゴーヤチャンプルー」、ご飯の上に「ポーク」と「卵焼き」。この3品の存在と配置が沖縄弁当の基本形。他に天ぷら、コンニャク炒め、ポテサラなど盛りだくさん。いわば沖縄弁当の「幕の内」だ。
●沖縄“丼”弁当の基本形 カラシナ・ニンジン・フライの3色丼
「弁当」 税込み300円/約470g 弁当R2(豊見城市)
「カラシナ炒め」「ニンジンシリシリ」「チキンカツ」の3色3品をのせた沖縄丼弁当の基本形。本品はチキンカツを厚切りにしているが、一般的には細かくブツ切りにすることが多く、それをマヨネーズであえるのも普通。
●サンバのような音楽がズンズン
「弁当」 税込み350円/約546g パーラーミッキー(那覇市)
静寂な住宅街に立地する沖縄工業高校の正門前に出店。授業中にもかかわらず、サンバのような音楽をズンズン流しているのが、ちょっと気になる。弁当の内容は音楽よろしく元気よし。店頭調理の和風ファストフードが充実。
●沖縄メジャーのアンチテーゼ
「ドライカレー弁当」 税込み300円/約460g たんぽぽ(那覇市)
音楽をズンズン流すパーラーミッキーの隣の店。こちらは相対する昔気質っぽい雰囲気が漂う。中でも異彩を放つのが「ドライカレー」。沖縄メジャーのタコライスに対するアンチテーゼとして、陰ながら応援したくなるいぶし銀だ。
●牛肉とチキンの交換で2倍の味わい
「弁当」 税込み300円/約429g マミー弁当(北谷町)
チキンカツと牛肉炒めの単なる男弁当だと思ったら大間違いだ。チキンカツはソース漬けなので、ソースとフライ油がご飯になじんでいる。牛肉炒めの炒め汁も同様。つまり途中でチキンと牛肉の位置を交換すれば、食べ合わせが2倍になる仕掛けなのだ。
●ひき肉の二大スターが夢の共演
「弁当」 税込み300円/約373g 南農前商店(豊見城市)
ひき肉の二大スターである肉そぼろとハンバーグが夢の共演。互いの個性がぶつかる中、緩衝役を引き受けたいり卵、端役に甘んじた揚げシュウマイの献身ぶりもニクい。沖縄のひき肉人気を如実に示す配役だ。
●長寿県の誇り保つ理想的バランス
「弁当」 税込み400円/約510g 宝食堂(名護市)
1日に必要な野菜摂取量の2分の1くらい取れそうな健康志向。鶏唐揚げとサバ味噌煮込みで肉と魚の動物性タンパク質も十分。梅干しと卵巻き揚げの彩りとアクセントも絶妙。この弁当が普及すれば長寿県の誇りは安泰だ。