1月23日。今日はアーモンドの日
1月23日はカルフォルニア・アーモンド協会が制定したアーモンドの日。アーモンド30g(約23粒)には、抗酸化作用の強いビタミンEが1日分含まれているとされている。日付は「1日23粒」に由来する。
神話にも登場するアーモンド
人類は古くからアーモンドを栽培していたとみられ、紀元前3200年ごろのヨルダンの首都アンマン南西部の遺跡でアーモンドの殻が発見されている。紀元前1500年頃の地中海東岸を中心にした古代オリエント世界では、香辛料、蜜、没薬などとともにアーモンドが取引された。フェニキア商人により海路で地中海沿岸、ペルシャ湾岸、紅海沿岸に、また、アラビア商人により陸路でエジプト、インド、中国へ伝えたといわれている。
アーモンドはギリシャ神話にたびたび登場するが、ギリシャ神話の文化圏のなかで、希望、あるいは子どもの誕生を象徴するだけではなく、生命の象徴として描かれている。一方、聖書の72カ所に象徴的にアーモンドの記述がみられる。たとえば、 創世記30章37節ではヤコブの豊かさ(多産)や神の祝福を約束する象徴として、創世記43章11 節においては、預言者ヨセフとの関係で価値あるものの象徴として登場している。また、聖母マリアの紋章はアーモンドの花となっている。
アレキサンダー大王の東方遠征(紀元前350〜323年)によってアーモンドの栽培地域は地中海沿岸の西方地域へと拡大していった。古代ローマ人たちはアーモンドを”グリークナッツ(ギリシャの木の実)”とよんだといわれている。
大航海時代、コロンブスがアメリカ大陸を発見した時の船サンタマリア号の積荷目録にもアーモンドは記録されている。同時に、シルクロードを行きかう探検家たちにとってもアーモンドは栄養補給の重要な食糧であったといわれている。
地中海沿岸地域で栽培されていたアーモンドがアメリカ大陸に栽培目的で持ち込まれたのは1700年代中頃、イエズス会の宣教師が持ち込んだのがきっかけとされている。アメリカでは東部のニューイングランド州や中部諸州でも栽培が試みられたと記録されているが、温暖で多湿な冬、乾燥した穏やかな夏が栽 培に適していたのはカリフォルニア州だけで、本格的な生産が始まったのは1840年代である。ゴールドラッシュ以降の農業の発達にともない、アーモンドの生産はセントラルバレー一帯に広がっ た。
(日本食糧新聞社『食品産業事典 第九版』(引用箇所の著者:日本ナッツ協会 中島洋人))