有名チェーン店の着眼点 新メニューFile:吉野家 伝説の「ねぎだく」がついにメニュー化
●着眼キーワード:裏ワザ注文を新メニュー採用
吉野家では玉ネギを増量した「ねぎだく牛丼」を、1月から販売開始した。「ねぎだく」は、18年10月に閉店した吉野家1号店「吉野家築地店」発祥の特殊注文だ。魚市場で働く食のプロの常連客たちが、通の食べ方として「ねぎだく」を編み出したという歴史がある。「ねぎだく」は「つゆだく」とともに裏ワザ的な特殊注文として、吉野家ファンに広く知られてきた。
この食べ方をこのほど、正式なメニューに採用。その増量っぷりは、「ねぎだく牛丼」並盛の注文で、「牛丼並盛」と比較して4倍増し、牛肉1:玉ネギ2の割合で提供される。牛丼というと牛肉量が多いほどうれしいものだ、と思ってしまいがちだが、甘味のあるシャキシャキ玉ネギが程よく主張する牛丼はまた違った粋なおいしさで、ハマる人も多いのだ。
同メニューは、裏ワザ的食べ方を正式メニューに採用した例というだけでなく、具材のバランスを変えるだけで話題の新メニューとなり得るという点でも興味深い。特に健康志向の昨今は、店の既存メニューに野菜増量のアレンジを加えるだけでも、売れるメニューに昇格する可能性がある。