枚方・交野 天の川ツーリズム推進協議会、「天野川セイタカヨシ」を食品に

農産加工 ニュース 2020.02.07 12010号 06面
天野川セイタカヨシを使用した「アオゾラビール」

天野川セイタカヨシを使用した「アオゾラビール」

天野川流域に自生するセイタカヨシ

天野川流域に自生するセイタカヨシ

パウダー状にした「天野川セイタカヨシ」

パウダー状にした「天野川セイタカヨシ」

天野川セイタカヨシを使用した「ヨシぎょうざ」

天野川セイタカヨシを使用した「ヨシぎょうざ」

天野川セイタカヨシを使用した「ヨシあめ」

天野川セイタカヨシを使用した「ヨシあめ」

●地域の名産品目指す

【関西】地域振興などを目的に産学官連携で設立された「枚方・交野 天の川ツーリズム推進協議会」は、天野川流域に自生するセイタカヨシをフリーズドライ製法でパウダー状に加工した食品「天野川セイタカヨシ」を製造。地域の名産品の開発を行う事業者に無償提供(追加提供は1袋200g入り2000円)。現在、アオゾラビール(ソトアソ)、ヨシぎょうざ(原田食品)、ヨシあめ(アトリエMay)など多くの商品が世に送り出されている。

大阪府の枚方市・交野市といえば「ひらかたパーク」や「七夕伝説」などがあるにしろ、「これといった名物や名所が思いつかない」地域だ。そこで天野川に生息するセイタカヨシを食品として活用し、地域の名物を作り出し、さらには観光事業を活性化するプロジェクトが17年に立ち上がった(「地域力活用新事業∞全国展開プロジェクト」に採択)。

ところが「セイタカヨシ」はそもそも食べられるのか、という問題が立ちはだかる。同地域でもともと食用にされてきたわけではなく、住民からすれば「川っぺりに生えている雑草」でしかなく、全国でも食品に用いられた例は見つからなかった。滋賀県で琵琶湖周辺に生える「ヨシ」を食品に利用している例はあるが、「セイタカヨシ」と「ヨシ」は異なる。

食品に適するか、の調査におよそ1年を費やした。その結果、「天野川セイタカヨシ」パウダーは安全であり、カフェインゼロで、鉄分・ビタミンC・葉酸を多く含む優れた食品であると分かった。抹茶に似ているが、少量でも鮮やかな緑色に発色するなど食品加工でも優位性があった。

現在、枚方市・交野市を中心に約20店舗で同パウダーを使用した商品やメニューが提供されている。

なお、追加提供の場合の1袋200g入り2000円の協力金はすべて、天野川の清掃や緑化活動に使われている。19年度の同パウダーの配布は終了しており、次回配布は7月からを予定。問い合わせは枚方・交野天の川ツーリズム推進協議会(北大阪商工会議所本所内)、電話080・9176・9263まで。(服部泰平)

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