6月13日。今日はいいみょうがの日
6月13日は高知県園芸農業協同組合連合会が制定したいいみょうがの日。6月がみょうがの旬であることと、1(いい)3(みょうが)の語呂合わせに由来する。
日本のスパイス「薬味」
山の幸、海の幸に恵まれ国土も狭い日本では、新鮮な食材をそのまま摂ることが比較的容易だったことから、素材本来の持ち味を活かす食文化が発達してきた。また、 鰹節、昆布、しいたけに代表されるアミノ酸、核酸系のうま味によって日本人の繊細な味覚感覚が養われてきた。そのため、保存や強い香りづけのためのスパイスは必要でなく、新鮮でやや淡白な素材にアクセントをつける程度に、少量を添えるという形で用いられてきた。いわゆる「薬味」として、わさびやしそ、みょうがなどが好んで用いられてきたのである。 たとえば、『古事記』(712年)には、しょうがまたは山椒を指す「ハジカミ」や蒜(にんにく)、『東大寺正倉院文書』のなかの正税帳(734年)には胡麻子(ごま)、『延喜式』(927年)には干薑(乾生姜)や芥子(からし)などの 名前を見出すことができる。日本人もまた、万葉の時代から、またおそらくは文字を残さなかった有史以前から、日本の風土のなかで独特のスパイス文化を育んできたのである。
(日本食糧新聞社『食品産業事典 第九版』(引用箇所の著者:エスビー食品株式会社))