日本豆乳協会、4~6月生産量は6.2%増 初の11万kl超に 家庭消費量が大幅増
日本豆乳協会によれば、20年4~6月期の豆乳全体の生産量は前年比6.2%増の11万0840klだった。四半期ごとに生産量を検証しているが、3ヵ月間で11万klを超えたのは初めて。「豆乳(無調整)」を中心に市場が伸長している。新型コロナウイルスの影響から、在宅勤務、学校の休校、ゴールデンウイークなど休日も自宅で過ごす人が増え、家庭内での消費量が大幅に増加した。一方、緊急事態宣言の発出で外食の機会が減少し、飲食店へ卸す業務用の生産量は半減した。
分類別で最も伸び率が高いのは「豆乳(無調整)」で、生産量は25.9%増の3万3001klだった。生産量が最も多い「調製豆乳」は0.6%増の5万3345kl、「果汁入り豆乳飲料」は12.0%増の5029kl、コーヒーや紅茶などの「フレーバー系の豆乳飲料(その他)」は5.9%増の1万6982klで、業務用を除くすべてのカテゴリーで生産量は順調に拡大した。出荷量も生産量と同様の傾向となった。
一方、主に業務用として生産している「その他」に分類される豆乳は、2483klでほぼ半減した。
同協会は、生活者が豆乳の特徴や成分の優位性に触れる機会が増えたことが後押しとなったと見ている。4~6月期は、「豆乳(無調整)」や「調製豆乳」など豆乳愛飲者のリピート購入、料理需要が拡大し、豆乳飲料を凍らせたり、ゼラチンなどと調理する新たな食べた方が浸透したことが市場拡大の要因だという。外食を控えたり、生活者の買い物の仕方が変化し、長期保存が可能な豆乳の需要が高まったことも伸長の一因と見る。20年の年間総生産量の目標を50万klとし、豆乳に対する理解や関心を高めてもらうための啓発・啓蒙(けいもう)活動を展開していく。(小島麻由美)