アポなし!新業態チェック(175)「チーズネスバーガー トゥーゴー」(大崎広小路)
●「持ち帰り」チーズバーガー専門店 フレッシュネス、新ブランド開発5種類のチーズバーガーを揃える
コロワイドグループのフレッシュネスが昨年10月、チーズバーガー専門店「チーズネスバーガー トゥーゴー(Cheeseness Burger To Go)」を東京・品川区にオープンした。同店はイートイン席のないテイクアウト型の店舗で、デリバリーにも対応する。同社が展開する「フレッシュネスバーガー」の新ブランドという位置付けだ。
店内は、商品のピックアップ棚とドリンク類のサービスカウンターだけというコンパクトな仕様。メニューの注文はSNSのLINE公式アカウントから行い、決済まで済ませた後に受け取り時間を決めて店舗に受け取りに行く。時間になるとLINEに通知が届き、商品は注文時に番号が指定された店頭の棚に置かれている。バーガーはボックス型の包材に入っており、ドリンク類は購入者が自分でカップに注ぐ方式だ。
基本メニューは、「チェダーチーズバーガー」(340円)、「クリームチーズバーガー」(390円)、「カマンベールチーズバーガー」(440円)、「スモークチーズバーガー」(490円)、「ブルーチーズバーガー」(540円)という5種類のチーズバーガーに、チーズの入っていない「NOチーズバーガー」(290円)を加えた6種類のバーガー。ドリンクは「特製レモネード」「ドリップコーヒー(ホット・アイス)」などがすべて150円。「フライドポテト」(190円)とドリンクのセットはプラス250円となっている。12月には期間限定の新メニューも登場した。
(価格はすべて税込み)
★けんじの評価 LINEアカウントで注文から決済まで
コロナ禍の中で、テイクアウトとデリバリー主体のハンバーガー店ブランドが乱立している。これまでハンバーガー業態を運営していなかった外食企業が新たに参入するケースが多いが、ハンバーガー業界では老舗ともいえるフレッシュネスが、チーズバーガーという切り口で新ブランドを立ち上げたのは興味深い。
同店はJR山手線の五反田駅から東急池上線に乗り換えて一駅、大崎広小路駅の改札口を出てすぐの並びに位置している。大崎広小路駅はごく小さな駅だが、五反田駅から300mほどしか離れておらず、実質的には五反田駅を中心とした商圏の外れといってもよいのだろう。しかし、「なぜここでチーズバーガー店を?」とは思う。もう少し話題性の高いエリアの方がよかったのではないか。
専用アプリを使わずLINE公式から注文できるのはありがたい。しかし、クレジットカード番号を入力し、注文を済ませて店舗に向かったのに、入口には“現金や交通系ICで店頭購入もできる”との掲示が。う~ん、これは店に来る前に教えてほしかった。オープンして3ヵ月、やはり店頭で購入したい利用者は多かったのだろう。
筆者は「フレッシュネスバーガー」の画一的でないオペレーションが好きだ。ラフではあるが、スタッフの判断に任された、昔の飲食店を感じさせる対応には好感が持てる。今回の店でも、空いた時間帯だったからか、女性スタッフが奥から出て来て袋詰めを行ってくれた。そうした雰囲気は、これからも続いていくのだろうか。
◆外食ジャーナリスト・鷲見けんじ=外食チェーン黎明期から、FFやFRなどの動向を消費者の目線で見続けてきたアンチグルメな庶民派ジャーナリスト。顧客の気持ちを外食企業に伝えるべく、甘口辛口を取り混ぜた乱筆乱文でチェーンの新業態をチェック。朝 マックとロイヤルホストのカレーフェアをこよなく愛する外食ウオッチャー。
●店舗情報
「チーズネスバーガー トゥーゴー」(大崎広小路)
開業=2021年10月15日/所在地=東京都品川区西五反田8-4-15 東京モリス第2ビル1階
編集協力:株式会社イートワークス
http://www.eatworks.com/