数字で読み解くフードサービストレンド:値上げの影響で子ども連れの利用が減少
コロナ禍からは回復に向かっている外食業態ですが、インフレ、値上げの影響で外食を控える動きも出ています。エヌピーディー・ジャパンが提供する外食・中食市場情報サービス「CREST」によると、コロナ禍からの回復で、イートインや友達・同僚との利用、朝食の利用などで回復が進む一方、インフレ・値上げの影響で、特に子ども連れの飲食店の利用が減少していることがわかります。
値上げは2021年後半から一部のチェーン店などから始まりましたが、22年には値上げする飲食店が顕著に増え、22年後半には2回目、3回目の値上げを実施する店も増え、その影響が色濃く見えるようになります。22年10~12月計の飲食店利用の食機会数の変化を前年同期と比べてみると、14歳以下の子どもを含む飲食店の利用は12.1%減でした。
値上げは外食だけでなく生活全般に及んでいることから、生活防衛のための節約志向が進んでおり、特に小さな子どものいる世帯で、飲食店の利用を控える動きが大きくなりました。6歳以下の子どもがいる世帯の飲食店の食機会数は、18.8%減と甚大でした。4人以上の世帯の人は6.4%減、世帯年収が700万円未満の世帯の人は3.4%減でした。
飲食店は、世帯構成や年収により、消費行動に差が生じている=消費の二極化が起こっていることに着目し、主要顧客の世帯構成や年収に応じて、戦略を考えてサービスを提供していくことが重要です。
(エヌピーディー・ジャパン 東さやか)