海外日本食 成功の分水嶺
2024.11.27連載「海外日本食 成功の分水嶺」では、タイに進出した日本食を事例に、成功に至ったきっかけなどを紹介していく。(バンコク=ジャーナリスト・小堀晋一)
●厳格な輸入テストへ合格 希少価値が高い日本の幻の酒をタイ側で本格輸入することになった酒類輸入卸販売業「バッカス・グローバル」。オーナーの原宏治さんは2023年暮れの某日、河川港であるバンコク港への入港を指折り数えて待っていた。この輸入テストで十分…続きを読む
●生酒の輸出にチャレンジ きっかけは、海外で味わった一杯だった。「日本では芳醇甘口で銘酒と知られたこの酒が、どうしてここまで味が劣化してしまうのか」。「この酒」とは、江戸時代に創業した老舗日本酒メーカーが生産した著名な一本のこと。飲んだ場所は、日本…続きを読む
●チャンスをくれた恩返し タイ・バンコクのスクンビット地区。高架鉄道BTS直下に新規開業した焼肉居酒屋「ホルモン食堂」の調理担当は、3年半前に閉店した居酒屋「田舎っぺ」時代から変わらず中里博典さん(64)が務めている。横浜生まれの横浜育ち。17歳で…続きを読む
●コロナで撤退も再起かけて 新型コロナによる一時の混迷から急速な回復を見せるタイ・バンコクの飲食業界。日本人も多く暮らすスクンビット地区の一角に、3年半ぶりにその男性の姿はあった。2000年代半ばから最盛期には3店舗の居酒屋などを経営していた杉森美…続きを読む
●ラオスに日本の推し文化 東南アジアの内陸国ラオスで初めてとなるコンセプトカフェ「サイバープラネット」のラオス店。ラオス人、タイ人と計10人ほどの女性スタッフがいる中で、数人の日本人女性らが接客指導などのために日本の本店から現地に派遣されている。 …続きを読む
●現地調査重ね市場を把握 お帰りなさいませ--。アキバ文化の代表格として日本でも根強い人気のあるメイド喫茶。ついに、その“オタク”文化の流れをくむ飲食店が、東南アジアの後発開発途上国ラオスに上陸した。首都ビエンチャンを流れる国際河川メコン川沿い。中…続きを読む
●人生最後、もう一つの夢 タイの首都バンコクで、安価な日本料理の提供に挑戦する御意見無用「男の割烹」。経営する竹内清忠さん(78)には、その先にもう一つの夢がある。「もう年だし、人生最後の本当の夢」と話すそれは、かねて構想を温めてきた桑の葉の栄養分…続きを読む
●現地採用者向けに安価で 「味も品質も見た目の美しさも日本で提供されるものと遜色ないけれど、あそこまで高く提供されると、一般のタイ人はおろか現地採用者の日本人にもなかなか手が出ない。そこに一石を投じたかった」 そう語るのは、料理人歴半世紀以上。7…続きを読む
●病気を乗り越えて タイ・バンコクでモダン居酒屋「浪漫亭」を経営する中野善史さんが店を再興させたのは2023年7月のこと。そのわずか1年3ヵ月前は、急な病気で死のふちをさまよっていた。 いつものように朝5時前には床を出た中野さん。新型コロナウイル…続きを読む
●せちがらい世に温もりを タイの首都バンコクのスクンビット地区。日本人駐在員らが多く住むこの日本人街に、不釣り合いな一風変わった路地がある。スクンビット・ソイ(路地)42-1。ローカルの食堂や雑貨店、理髪店などに交じってわずかに西洋人が好むホステル…続きを読む