ゴールデンチョコ商戦が英国で活発 レトロなキャラミルク味が人気
英国で「ゴールデン」と呼ばれるチョコレートの人気が上昇している。昨夏から年末にかけて、続々と新商品が登場。今回は、人気の背景と売れ筋商品を紹介する。
クリーミーなキャラメル味
ゴールデンと聞くと、誰もがキラキラ輝く金色のチョコレートを想像してしまう。しかし実際はキャラメルの色に近い。そのため「ゴールデン・ブロンド」と称されることもある。
色から想像できるように、クリーミーなキャラメル味で香ばしさがあっておいしい。キャラミルク味と呼ぶこともある。ゴールデンチョコレートが英国に登場する前、Cadbury社はゴールデンチョコレートに似た商品の「キャラミルク」をオーストラリアでリリースしていた。
英国のゴールデン商品の中には、このキャラミルクからヒントを得た商品も多い。例えば、Galaxy社のブロンド・シーソルト・チョコレートバーやNestle社のミルキーウェイ・ゴールド・チョコレートバーなどである。
オーストラリアから英国に上陸
ベースとなったキャラミルク味は、1968年にカナダとオーストラリアで販売された。現在の英国商品は、当時のオーストラリア版に近い。
1994年にキャラミルクの製造が打切りとなったが、2017年にニュージーランドで限定版として復帰した。その後、オーストラリアのファンによる熱心なリクエストが続き、Cadbury社は2018年、2019年、2020年と限定版を販売。このような経緯を経て2021年、ついに英国上陸した。
料理用や「お城キット」も
そのためか味はレトロといってよい。レトロだが、近年の「塩キャラメル味」の爆発的な人気にあやかり、英国でヒットしている。特に2021年秋から年末にかけて、クリスマスや新年行事をターゲットとしたキャラミルク味の新商品が目立った。
大手高級スーパーのMarks&Spencerは、ゴールデン商品の開発・販売に余念がない。料理用のゴールデンチョコレートをはじめ、パンやクッキーに塗るゴールデンスプレッド、ゴールデンチョコをトッピングに施したパネトーネ、ゴールデンチョコソース付きのクリスマス・プディングや豪華クッキーのフロレンティンなどを販売した。
単品商品にとどまらない。2021年は、贈呈用ギフトボックスとしてゴールデンチョコレートシリーズを新たに加えた。この中には上記商品のほか、ゴールデンチョコ風味のクリームリキュール、ゴールデンでコーティングした各種ナッツやスイスゴールデンチョコが含まれている。大胆な試みだ。2021年3月、M&Sはイースター用Extra Thick Blonde&White Easter Eggの売上げで大成功を収めている。確かな裏付けがあるのだ。
参照サイト:
Marks And Spencer’s Caramac Inspired Caramelised White Chocolate Bar Is Here
Cadbury社もオリジナルのキャラミルクに加え、チョコレートバー「フレーク」にキャラミルク味を追加した。さらに、キャラミルクチョコでお城を作る「お城キット」を販売するなど、各企業によるキャラミルク商戦が続く。次は、どんなゴールデン商品が飛び出すのだろうか。楽しみである。(フードライター ラッド順子)