敷島製パン、氷温熟成のうまみ「吟撰」食パン発売
敷島製パン(株)(名古屋市東区、052・933・2112)は、最近食品製造の分野で注目されている「氷温熟成」により発酵させた生地を用いた食パン「吟撰(ぎんせん)」を中部、関西事業部は1日、東京事業部からは16日にそれぞれ新発売した。
氷温製法の特色は、通常の食パンは二五~三八度Cで六時間かけて生地を熟成させる。これをマイナス三~〇度Cで、七二時間かけて発酵をコントロールしながら徐々に熟成させると、うま味のもととなる遊離アミノ酸が多く発生し、おいしく、日持ちの良い製品に仕上がる。同社は、氷温製法が食品に用いられるようになった昭和59年からこの手法をパンに活用する研究を始め、昭和61年には「氷温熟成食パン」(定価三〇〇円)を発売している。小麦粉も上質のものを使い、ソフトな口当たりの本格的な食パンとして固定ファンをつかんでいる。
製品特徴は味覚面では(1)生地、皮部分ともにソフトでしっとりしている(2)従来の氷温生地がもつ酸味を抑え、程よいミルク・バター風味に仕立てた。技術・製法面は(1)氷温製法の生地と通常の生地をミックスし、氷温生地だけを用いるよりも均一、均質な焼き上がりを可能にした(2)独自開発の特殊イースト使用により、氷温発酵過程での酢酸発生を抑え、まろやかなフレーバーを持たせている。
価格は小売一八〇円(六枚スライス、税別)。販売目標は月間五〇〇〇万円。