アサヒビール、プレミアム市場に本格参入 「スーパープレミアム」発売
アサヒビール(株)(東京都墨田区、03・5608・5126)は27日、「アサヒスーパープレミアム」(三五〇ミリリットル缶二三三円)=写真左端=の販売を開始、プレミアムビール市場に本格参入する。
同社では、近年高まりつつある「価格が高くても良いものを」という消費者ニーズに着目、新たな需要開拓を図る。ビール市場では定番商品の占有率が高まる一方で、低価格、プレミアム商品が人気を集めるなど、し好、価格ともに多様化してきている。サッポロ「ヱビスビール」、キリン「ビール職人」に次ぐ同社の本格参入で、プレミアム市場の拡大が注目される。
同品は、富士山麓朝霧高原の天然水一〇〇%と世界最高レベルのチェコ・ザーツ産ファインアロマホップを使用したプレミアムビール。アルコール分は約五・五%とやや高めで、香り高く引き締まったぜいたくな味に仕上げた。
パッケージも、ゴールドを使った高級感あふれるデザイン。中元・歳暮などギフト用戦略商品と位置づけ、九八年販売目標二〇〇万ケース(大びん換算)を狙う。また、広告宣伝には、若手狂言師の野村萬斎氏を起用、上質感をアピールしていく。
同社では、同品を平成3年から近畿以東で限定発売、業務用などで好評を得ていたが、今回プレミアム市場の拡大を背景に大幅にリニューアル。「味、パッケージ、価格ともに全く新しい商品として全国展開をしていく」方針だ。
プレミアムビール市場は現在全ビール中のわずか約二%だが、消費者の本物志向・素材志向を受けて確実に伸びている。昨年実績では、サッポロ「ヱビスビール」は前年比二桁増の九三九万ケース、またキリン「ビール職人」は発売から約九ヵ月間で三〇五万ケースを計上した。
ビール先進国である欧米のプレミアムビール市場は約五~六%のシェアを保持しており、アサヒの本格参入で大幅な市場拡大が期待される。
▽希望小売価格=五〇〇ミリリットル缶三〇一円、三五〇ミリリットル缶二三三円、大びん三三五円、中びん二八二円▽中身=下面発酵淡色生ビール▽発売地域=第一次地区(缶二品種2月27日・びん二品種3月20日発売)一都九県。その他の地域は第二次発売として4月以降順次展開予定。