上質を極める大人のための一品 日清食品「上湯麺(シャンタンメン)」
中国ではスープのことを湯(タン)といい、なかでも「上湯(シャンタン)」とはうま味の強い上質な一番だしで作る澄んだスープのことをいう。
友人である中国人シェフに作り方を教わってみた。「私は老鶏や豚スネ肉などを使います。たっぷりの水に入れ、弱火でじっくり一〇時間ほど炊き出します」。ゆらゆらと大鍋の中で対流を続ける湯を見つめ、アクを取りながら煮詰めていく。決して水は足さず、沸騰させず八〇度くらいでじっくりが、澄んだおいしいスープを作るポイントだという。いよいよ完成。フワッと芳醇な鶏の風味に満ちる。オタマですくうと、澄みきった金色の液体がきらめきながら流れ落ちた。
喉をすべり鼻孔に広がる滋味、美味。しかし、日常そうそう作れるシロモノではない。
日清食品(株)の『上湯麺』は、上質な上湯スープが手軽に味わえるカップめん。エルダー世代と呼ばれる四五~五〇歳代に向け開発されたもので、こってり系よりあっさり系を好む大人の嗜好に応える贅沢なラーメンだ。
「厳選した鶏を丸ごと時間をかけて煮立てて取った一番だしを使用した」(同社マーケティング部椎川昇ブランドマネージャー)スープは、アッサリしながら深みとコクがある。また麺は、ゆでた麺を低温でじっくり熟成させた独自の「寒熟麺」で、小麦粉の風味と張り・弾力があって、湯のびしにくいのが特徴だという。
「シャン」という音は、日本人の感覚では、美しく背筋を伸ばした姿をイメージする。上質なスープを、ちょいとあらたまって背筋を伸ばし、うやうやしい気持ちでいただく。そんなプチ贅沢気分で味わうのも一興。
いわんやテレビCMの宇崎竜童さんのように、カッコよく背中を丸めながらスープをすすり「若いヤツぁ食わんでいい」と目を細めながらつぶやくのもまた一興。酸いも甘いも知る大人のためのラーメン。せっかくなら注ぐ湯にもこだわり、やかんに備長炭のかけらを入れて沸かしてみようか。
*
『日清 上湯麺(シャンタンメン)ほぐし鶏ねぎそば 塩味』『同 直火焼きチャーシュー麺 醤油味』。10月6日から関東甲信越地区を皮切りに順次発売。▽日清食品(株) 電話03・3205・5252