おはしで防ぐ現代病:エネルギー消費増加で脂肪燃焼を促す「大豆ペプチド」
お正月に蓄えた脂肪、何とかしたい! 体脂肪を燃焼させるためには、有酸素運動を二〇~三〇分続けること。さらに効率よく体脂肪を燃焼させるには運動に合わせてタンパク質(アミノ酸)をとることが有効といわれる。アミノ酸をより効率良く身体に吸収させ脂肪燃焼を促す働きに優れることで注目される大豆の機能成分・大豆ペプチドについて中坊幸弘・京都府立大人間環境学部教授に聞いた。(資料協力=大豆ペプチド健康フォーラム)
●吸収の速さが特徴
ペプチドとは、タンパク質の分解過程で生じる物質です。食物からとったタンパク質は分解・吸収され最終的にアミノ酸分子一個の状態になり血中に取り込まれます。その途中段階、アミノ酸が二~三個結合した状態がペプチドなのです。
タンパク質をアミノ酸単体へ分解し吸収するには、普通三~四時間かかります。対してあらかじめアミノ酸の形でとる場合、三〇分ほどでおおかた吸収できます。さらにペプチドはアミノ酸が数個結合した状態ですから、効率良くより速く消化・吸収できるわけです。
●肥満の予防・解消に期待
ペプチドとアミノ酸で最終的な吸収量に差はないのですが、短時間でのタンパク質補給が求められる時には、吸収が速いペプチドが有効。その性質を利用して多くの健康食品・アスリート食品などに採用されています。
また大豆ペプチドにはタンパク質にもアミノ酸にもない独特の機能性も多く明らかにされています。とくに基礎代謝や食事後のエネルギー消費を増加させ(図A)、体脂肪の燃焼を促進させるため、肥満の予防・解消に期待が持たれています。
●血圧やコレステロールにも有効
ほかにもペプチドには、血圧の上昇を抑える効果が明らかにされています。高血圧の一因であるホルモン・アンジオテンシンを作る酵素の働きを阻害する働きがあるのです。さらにコレステロール吸収阻害・消化管粘膜防御・筋肉増強・免疫能増強・低アレルゲンなど、生活習慣病予防に役立つことが期待されるさまざまな機能が明らかになりつつあります(図C)。