羊子先生の薬食同源:視力低下 「肝」を養い、目の疲れに「菊花」を

2004.06.10 107号 12面

視力低下には、(1)近視・遠視といった屈折異常(2)目の酷使によるストレス(3)老眼・ドライアイ(4)さまざまな目の病気(緑内障・白内障・網膜症)(5)生活習慣病からの合併症(糖尿病や高血圧)などのさまざまな原因があります。

加齢によるものとしては、水晶体混濁の白内障が代表的。そこまでいかなくても、色がくすむ、光がまぶしい、細かい字が見えなくなる‐‐などがあり、これらはみな、光をよく通すレンズである水晶体の機能が落ちたことが原因です。水晶体は透明な半液体のものでタンパク質でできていますが、それが変性し濁ってきます。

漢方の考え方では、こうした視力減退にかかわる現象はすべて内臓が関係すると考えます。特に関連が深いのが「腎」と「肝」で、「肝血虚」そして「腎精不足」という状態に陥っていると考えられます。目は沈黙の臓器である肝の窓のようなものです。

そこで「肝」の機能を上げる菊花を用います。「肝」という臓器は両面性があって、十分な栄養分を蓄えないと働かないし、また使い過ぎるとストレスが溜まってしまいます。「肝」に栄養を与えながら、余った熱や疲れをとる菊花は万能の妙薬であり、昔から食後に一杯、菊花茶を飲むことは健康長寿の秘訣といわれます。

(指導/中医師・張立也さん)

◆杞菊魚頭スープ

魚(タイ・コイなど)の頭300グラムをボイルして生臭みを取る。クコの実5グラム、ショウガ適宜を40分、弱火で炊き、菊花を入れ、さらに3分火に通す。塩・コショウで味つけする。

*頭を使うのは、その形をもって足りないものを養うという考え方から。

(取材協力=アイニンファンファン(東京・麹町)電話03・5210・3587)

◆お茶は『香菊花』

上質の「杭白菊」を原料に、そのエキスと微粉末を混合。爽やかな香りは身体に清涼感を与え、心身をリラックスさせる。中国では夏の風物詩となっている。

◆漢方薬は『杞菊地黄丸』

補腎の代表格であるクコ・ジオウと合わせ、水分代謝に作用する生薬も入っている。かすみ眼・疲れ眼・のぼせ・頭痛・めまい・排尿困難・頻尿・むくみに。

◆羊子(ようこ)先生のプロフィル

出身は、ヒツジが食べると痩せてしまうという不思議なお茶「柳茶」のふるさと中国・チベット。北京で中医学(中国漢方)を勉強したのち渡米、ホリスティック栄養学を学ぶ。ダイエット指導のスペシャリスト。

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