だから素敵! あの人のヘルシートーク:女優・十朱幸代さん
女優歴47年、いつ見ても美しく若々しい十朱幸代さん。アンチエイジングという言葉ができる前から、その存在そのものが奇跡のような女性といえる。「若さの秘訣を教えて下さい」の質問には「好奇心、かな…」という言葉が返ってきた。食事に運動、毎日を豊かに過ごす工夫。答えはライフスタイルにあるようだ。
もともとが頑健ですが、ちょっとでもどこかが具合が悪いとダメなんです。だから、いろんなことに強くなって、風邪なんかひかない身体にしようとは思ってますね。特別に節制しているわけではありません。一時は、仕事で寝る時間がなかったりとか、無謀なこともしてきましたし…。やっぱり食べ物と、いい汗をかく軽い運動かしら。毎日の生活にリズムを作って、それさえちゃんとやっていれば、丈夫で健康でいられると信じています。
仕事の関係で昼と夜は外食になるので、その分、朝食は自分で作って調整します。メニューは和食が多いけれど洋食の時もあります。今朝は昼が会食と分かっていたので、ジュースとサラダだけ。
ジュースは毎日、必ず作り立てを飲みます。材料は時々変えますが、いまのお気に入りは2通り。1つは、リンゴ半分・ニンジン1本・レモン半分、そこに酵素を入れます。時にはこのベースにお料理で余ったクレソンやハーブ、パセリの茎の部分、ニンジンやカブ、大根の葉っぱを入れちゃいます。もう1つは豆乳・ヨーグルト・キウイ半分・酵素。お腹がいっぱいになりますのでダイエットにも効果的です。
今朝のサラダは、レタス・トマト・ピーマン・パプリカ・セロリ・バジル・パセリ、それにタマネギ。タマネギやネギ・ニンニクは積極的にとるようにしています。それからカッテージチーズとすり下ろしたゴマ、松の実に桜海老。桜海老はこの前テレビの番組で教わり、いま凝っています。から煎りして、その上にみりんを少し入れて、とても香ばしいんですよ。これにたっぷりのオリーブオイルとドレッシングをかけます。
普段ならジュースのあと、ご飯に大好きな海苔、お魚は干物や塩鮭。あとホウレン草・梅干し・お豆腐・海藻・香の物。にぎやかに品数をそろえます。野菜は一回煮たら、小分けにして冷凍したり冷蔵庫に入れたりして、何日かに分けて食べます。食物に関することには熱心でマメです。健康は人任せでは管理できないと思うので。以前は冷え性でしたが生姜や根菜をとるよう心掛けて、治りましたね。
スポーツは一通りやってるかしら。一番長く夢中だったのはゴルフ。それから乗馬・テニス・アイススケート・スキー・スキューバダイビング…。
いまはもっぱらスポーツジムです。ジムに行く習慣は早くからあって、もう35~36年になりますね。仕事がない時は1日おきくらいに。マシンやダンベルのトレーニングで腹筋と背筋、二の腕を中心に1時間半。
あまり負荷はかけずに回数をするように。コンスタントに運動することで本当に体調が良く、お肌のハリやツヤが抜群に良くなって、お化粧のノリの違うのが実感できます。血液の流れや新陳代謝が良くなり、精神的によどんでいるものや疲れも流されるんだと思います。
他に美容のためにやっていること…ですか。そう、寝る時に枕を使わないのを習慣にしています。本を読む時は使うけど、寝る時に外しちゃうんです。そのまま平らに上を向いて寝るのが一番で、首などに線が入らなくてシワになりにくいと聞いて。もう20年くらい。専門家にうかがったわけではないけれど、私にはこの方がよく寝られます。
好奇心は強いですね。何か新しいことを始める、興味を持つことが自分を活性化させるのかな、と思うんです。いままでやってきたことももちろん大事なんだけれど。私たちの年代になるといろいろと失うものも多いので、あえて新しいことを勉強したり挑戦したり…。どんな仕事がくるか分からないから、いろんな世界を知っている方がいいということもあります。
いま夢中になっているのは、実はマージャン。全く初めてだったのが、今年のお正月からもう5回もしました。頭と指先のエクササイズで始めるのにはグッドタイミングなイイ年頃でしょ!
今回誘ってくれたのは芸能界ではないお友だち。男性も女性もたくさん仲間ができましたよ。
勝率? 最初は勝ちましたが、段々負けています。役は一通り覚えられたかな。まだ後ろで見ていて指導してくださる人がいないと…。
リラックス法は、高校時代の女友だちとの旅行。みんな子育てを卒業して再び自分の時間が持てるようになったでしょう。5~6年前からよく会うようになりました。温泉に行ったりね。昔から知っているお友だちだと安心してくつろげます。
1年前から毎週金曜日の朝の番組で、ゲストをお迎えするトーク番組(TX『十朱幸代の素敵にシンプルライフ』)の司会をさせていただいています。女優ですから、質問されることはあっても、人からお話を聞くというのはこれまでなかったんです。先を読まないといけないので難しいんですが、楽しいですね。特に音楽やスポーツ関係など全く違う世界の方々のお話は刺激になります。
舞台の仕事では、かなり自分のやりたいことをさせていただいてきました。この頃は、悪女っぽい女とか少し意地悪なお母さんとか、面白い役を望んで演じてきたけれど、偏ってくると違うものが演じたくなります。いまはちょっと、ヒューマンなものが演じてみたいですね。
最終的に目指しているのは、品性のある喜劇というのかな。ただ明るい、ただ笑わせる喜劇でなく、観た人が後でなんだかホンワカする、「幸せだな」っと感じたり。そんなものを探していけたらいいなと思っています。
◆プロフィル
とあけ・ゆきよ 1942年、東京生まれ。俳優の十朱久雄さんの長女。58年、15歳でNHKの連続テレビドラマ『バス通り裏』でデビュー。以後、テレビ・映画・舞台で幅広く活躍、ブルーリボン賞をはじめ数々の賞を受賞している。2003年紫綬褒章受章。現在、TX『十朱幸代の素敵にシンプルライフ』に出演中。また04年度『プワゾンの匂う女』『あかね空』の対照的な2つの役で優れた演技を評価され、第26回松尾芸能賞大賞を受賞した。