月刊・漢方美人:漢方で体重を減らせますか?
Q.ダイエットをしたいのですが、食欲が旺盛で、イライラすると余計に食べてしまいます。(40代女性)
A.ストレスからくる食欲増加は気滞からくる鬱熱が原因です。
●ストレス溜まりついつい過食に
ダイエットはしたいけれど、ストレスを抱えやすく、ついつい何かを口にしてしまう…。よく耳にする悩みですね。食欲をコントロールするのは、できそうでなかなかできないもの。この原因を中医学で探ってみましょう。
ストレスが原因と見られる過食。これは気滞(気=エネルギーの流れの滞り)により引き起こされます。ストレスが溜まると気の流れを司る臓器の肝(自律神経調節機能)の働きが悪くなります。すると、鬱熱(肝が熱を持つ状態)となり、胃に悪影響を及ぼします。胃に余分な熱が加わると、食べ物をこの熱で燃やしてしまうので、食べても食べても満腹感が得られないということになるのです。
旺盛な食欲をコントロールし、ダイエットを成功させるには、ストレスと上手に付き合うことが肝心なのです。
●苦味は熱を抑え、香りは気の巡りを良くする
食生活の面でもちょっとした工夫が必要です。夏になるとゴーヤなど多少苦味のあるものを食べる機会も多くなります。苦味のあるものは胃腸の熱を抑えてくれます。また、香りの良い食材は気の巡りを良くしてくれます。ミツバやセロリ、ふきやきゅうり、ミント、そのほか梅干、柑橘類などを食事に多く取り入れましょう。飲み物も甘いものより緑茶がお勧めです。辛いものは控えめにしてください。
運動不足だからといって急に激しいスポーツを始めるのはお勧めできません。ウオーキングやヨガなどがお勧めです。たまに郊外に出かけて新鮮な空気を吸うことも、これからの季節は良いでしょう。
運動を続けるのが難しい人、食欲を自力でコントロールするのが難しい人は、漢方を取り入れてみてはいかがでしょうか。
◆オススメは「加味逍遥散)」+「三爽茶」
熱を冷ましながら気滞を改善する「加味逍遥散」。「三爽茶」は代謝をサポートしてくれるダイエット茶です。
◆シノアカフェ ミルク茶
ダイエットに不足しがちな鉄分とカルシウムをこの1杯で補給。イライラ解消も
<材料(1人分)>
・緑茶…ティースプーン1(約3g)
・熱湯………………適量
・牛乳………カップ1/2
<作り方>
(1)カップに緑茶を入れ、熱湯を注いで小皿などでフタをする。
(2)3~5分蒸らして茶葉が開いたら、温めた牛乳を加えて飲む。好みで砂糖を加えても。
※茶葉がしっかり開いて、緑茶エキスが出てから、牛乳を加えるのがポイント。
(『お部屋で「薬膳カフェ」』(七沢なおみ著・祥伝社)から)
◆東洋エクササイズ 体脂肪を減らす
体脂肪を減らすにはまずは、中かん(みぞおちとおヘソの真ん中)胃・消化ツボで便秘にも良い。押せばお腹がグルグルとなる。陰陵泉(ひざ下内側の太い骨の真下。頸骨の内側、窪んでいる所)は水分代謝のツボ。ともに9回押して1クールを3回。陰陵泉は女性の場合は右脚が先、次に左(男性は逆)。