食と色 実践!カラフル食生活
いま、あなたのいる部屋の壁は何色ですか? 服の色は?今朝食べた果物の色は?
色は、私たちが生きていくあらゆるシーンに存在する。「赤は興奮、青は鎮静」という色彩の心理効果に加え、「トマトの赤」「なすの紫」など、植物の色素成分を科学的に解明する研究も進められ、色のパワーを健康生活に生かす動きが広がりつつある。
◆色を暮らしに生かそう 色で癒し カラーセラピーって
「色は人の心を左右する大きな力を持っています」とカラリストスクール・ワムI・C・I校長のヨシタミチコ先生。
心理学では色を性格分析に用いる研究者が多く、また色を病気の治療に役立てる科学者もいる。「カラーセラピー(色彩療法)とは色のもつ感情効果や心理的効果を利用して、相談者の心理を読み取り、心の安定を図る方法です。例えば、親子で同じ塗り絵をしてもらい、心理状態についてアドバイスしたり、認知症のお年寄りと色でコミュニケーションをとって心の解放を促したり、介護者に接し方をアドバイスすることもあります」。
色には心を解きほぐし、明るくする効果がある。そこで注目されているのが塗り絵。「色を塗ることで心を良い方向へコントロールするのです。疲れた心には緑、エネルギー不足には赤のパワー。落ち込んだ気分には明るく楽しい色遣いが効果を発揮します。塗り進むごとに心が浄化され少しずつ変わっていくのがわかります」。
◆あなたはどの色が好きですか
○赤が好きな人
決断力と行動力に優れ、目標にそって成功と勝利をめざし前進するパワーの持ち主。
○青が好きな人
理性的で誠実、冷静沈着。規律正しく枠から離れるのを嫌う傾向があり、安定感がある。
○黄が好きな人
活動的で楽しいことを求め、軽快な輝きを放ち天真爛漫。周囲を巻き込む明るさが身上。
○緑が好きな人
確実性を求め、危険や争いを嫌う平和主義者。周囲を気遣う、優しい心の持ち主。
○白が好きな人
純粋、素直、誠実な性格で、誰からも好かれる。半面、自己主張にかける面も。
○橙が好きな人
陽気で開放的、外向的。何者にも縛られたくないという心の解放を願う心理状態。
○紫が好きな人
感情がとても豊かな半面、相反する2つの存在に揺れるナルシスト。直感力に優れる。
○黒が好きな人
強制や制約に対する反発心が強く、自立心が旺盛。生活力を持った自由な人が多い。
◆色を使っておいしい食卓を演出するコツ
○盛りつけの彩り
インテリアやファッションは色を取り入れすぎるとバランスが悪くなるが、料理はできるだけ色を多く取り入れた方が食欲をそそる華やかな盛りつけになる。肉料理にレモンやパプリカの黄、トマトの赤、パセリやブロッコリーの緑などを組み合わせるなど。
○照明の色
食べ物には暖色系の色が多いので、食卓まわりの照明には赤みや黄みの光を持つ白熱灯が適する。暖色系の色は、自律神経を刺激して消化作用を促し、空腹感を誘う。
○食器の色
どんな素材にも合う白い器が人気だが、季節の素材を生かす和食には黒い器もオススメ。料理を鮮やかに見せる効果があるので上手に取り入れてみて。
○クロスの色
テーブルクロスは主役の料理を際立たせるため強烈な色は避ける。ランチョンマットはアクセントになるよう、テーブルやお皿の雰囲気に合わせて選んで。
◆カラフルに食べよう色素のパワー ファイトケミカルって?
トマトの赤、なすの紫など、植物は独自の色を身にまとって紫外線や虫などから身を守っている。その色素がヒトの身体にも重要な働きをすることが注目されている。
植物の色素や香り・辛み・苦みなどの成分は「ファイトケミカル(植物性化学物質)」と呼ばれ、トマトのリコピンなど約1万種あるといわれる。それらは研究により、老化やがんなどの原因とされる活性酸素に対する抗酸化作用をもつことが解明されている。
毎日いろいろな種類の野菜・果物を彩り豊かにまんべんなく食べると、ビタミン・ミネラル・食物繊維・ファイトケミカルなど各々特有の機能性成分を摂取できる。買い物をしたり料理したり食べるとき、複数の色をもつ野菜・果物を盛りつけることを意識しよう。
○代表的なファイトケミカル
アントシアニン…ブルーベリーやなすなどの青(紫)色素
ケルセチン………たまねぎに含まれる黄色い色素
ルテイン…………ほうれんそうやケールなどの黄色色素
リコピン…………トマトやスイカの赤い色素
β‐カロテン……にんじん・かぼちゃの橙色色素
カプサイシン……赤ピーマンやトウガラシの赤い色素
リモネン…………レモンなど柑橘類に含まれる香気成分
タンニン…………緑茶などに含まれる渋み成分
◆ファイブ・ア・デイ・ザ・カラーウェイ
米国の農産物健康増進基金(PBH)は、健康な身体を保つため、青/紫、緑、赤、黄/橙、白の5色の野菜・果物を食べようという「ファイブ・ア・デイ・ザ・カラーウェイ」という考え方を推進している。
資料協力=ファイブ・ア・デイ協会
◆塗り絵「お皿の中に虹がある」
米国でファイブ・ア・デイ運動を推進しているドール社は、文具メーカーのクレヨラ社と提携して「お皿の中に虹がある」という塗り絵を制作。栄養教育プログラムの教材として米国中の小学校などに提供している。毎日5種類以上のカラフルで栄養豊富な野菜・果物を食べることの重要性について楽しく学べる内容になっている。
◆8.31「野菜の日」フェア開催
8月31日の「野菜の日」にちなんで、イオンの各店舗では29~31日、新鮮な野菜・果物の大特売が開催され、多くの人でにぎわった。期間中店頭では、野菜がたっぷり食べられる「野菜鍋」や「朝ごはん」のメニュー提案が行われたほか、31日には先着100人に、食事バランスガイドをデザインしたうちわなどの食育グッズがプレゼントされた。イオンは今後も5 A DAY運動、食育体験学習会、クッキングステーション、収穫体験ツアーなどの「食育活動」に取り組んでいくという。
★ヨシタミチコ先生の本
『自分色表現事典』祥伝社刊、1600円。色のプロが教える配色術。色のパワーを素敵に生かすコツが満載。
★カラリストスクール・ワムI.C.I=カラーコーディネーターやカラーセラピストなどを養成。通信教育もある。電話03・3406・9181
ホームページhttp://www.color-space-wam.co.jp/











