月刊・漢方美人:夜、トイレで目が覚めます…

2006.11.10 136号 8面

Q.夜、睡眠中にトイレに起きることが多くなりました。ぐっすり眠れず疲労感もあります。(40代女性)

A.腎気不足と腎陽不足が主な原因です。

暖かい布団の中での睡眠は一日の疲れを癒し、新しい日への活力を蓄えるなによりの時間です。夜中に尿意をもよおして目が覚めてしまうと、せっかくの時間も台無しの気分になりますね。

中医学では腎は生殖、ホルモン系の働きを指しますが、水分代謝をコントロールする臓器でもあります。腎の気の働きが弱まる(腎気不足)と体内の水分代謝がうまくいかなくなり、また、腎の陽気(生命エネルギー)が不足すると身体が冷えやすくなります。

通常、水分は摂取されると気の働きにより、津液(身体に有用な水分)となりますが、気が不足すると不要な水分となって体外へ排泄されてしまいます。トイレに行く回数が増えたり、睡眠中にトイレで目が覚めるのもこのためです。

日頃から身体を冷やさないように工夫し、夜寝る前の水分摂取は控えめに、とくに身体の熱を取る緑茶やプーアル茶は控えめにしましょう。食べ物では栗やクルミは胃腸の働きを良くし、腎を強化してくれるものです。補気作用のある山芋類やキノコ類もおすすめです。

漢方薬では、『八味地黄丸』がよく用いられ、頻尿があり身体が冷えやすい人に適しています。頻尿や、冷えの症状があり、胃がもたれやすいタイプの人には朝鮮人参のほか海馬、鹿茸、鹿腎などを配合した『参馬補腎丸』がおすすめです。

◆シノアカフェ:小豆となつめの汁粉

なつめやはすの実が血液の流れをスムーズに。身体が温まって冷えも解消。

〈材料(2人分)〉

・はすの実…………8~10個

・なつめ……………8~10個

・氷砂糖………………30g

・ゆで小豆……1缶(280g)

・水…………カップ1と1/2

〈作り方〉

(1)はすの実は3~4時間、なつめは1時間ほど水(分量外)につけて戻す。

(2)鍋に水カップ3(分量外)とはすの実を入れ、沸騰したら弱火にして10分煮る。なつめと氷砂糖を加えて、さらに20分煮て、ざるにあけて汁けをきる。

(3)鍋にゆで小豆と水を入れて温め、(2)を加えて混ぜ、器に盛る。

『お部屋で「薬膳カフェ」』(七沢なおみ著・祥伝社)から

◆東洋エクササイズ:腎の気を高めるツボ

湧泉(足裏の、かかとを曲げた時にできるへの字型のしわの中央のくぼみ)は代謝を正常に戻すツボ。9回押して1クールを3回。女性の場合は右脚が先、次に左(男性は逆)。

◆元気を補う漢方の補腎薬『参馬補腎丸(じんばほじんがん)』新発売!!

『参馬補腎丸』は、日頃、冷えを感じやすく、身体がだるくていつも疲れている、元気が出ない、胃腸虚弱や食欲不振などの症状がある方にお勧めの滋養強壮剤です。

配合されている生薬は朝鮮人参をはじめ、海馬(タツノオトシゴ)や鹿茸(鹿の幼角)などの動物性の補腎薬、さらに胃腸の調子を整えるシュクシャなど全部で14種類です。

中医学でいう「腎」には、単に腎臓だけではなく、泌尿生殖器系やホルモン系など幅広い意味があり、成長、発育、老化と深くかかわっています。

腎の衰えは足腰の衰えや精力減退、尿利異常などの老化現象に直結します。

『参馬補腎丸』は胃腸に負担をかけることなく腎を補う理想的な補腎薬といえるでしょう。

問い合わせ先=日本中医薬研究会(電話03-3273-8891)

http://www.chuiyaku.or.jp

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