3時のおやつと上手に付き合う法 ココアの上手な飲み方

1996.11.10 14号 3面

仕事中に飲むもので人気第一位の「コーヒー」。コーヒーに含まれるカフェインはお茶に含まれるテオフィリン、ココアに含まれるテオブロミンと同じアルカロイドの一種ですが興奮作用が大脳皮質を刺激して頭をすっきりさせます。体内に吸収されたカフェインは血液の循環を良くし、さらに胃液を分泌させるなどの利尿作用や、眠気を取り去る覚醒作用があります。上手に使えば疲労を回復させる働きがあるのです。また、洋食のフルコースを食べた後にコーヒーが出されますがこれは脂肪を分解する作用もあるからです。しかし、砂糖やミルクを入れるとその効果も低下します。また、量や飲み方を誤れば時には逆効果にもなりかねません。たとえば胃潰瘍がある場合、特に空腹時に飲むと胃壁への刺激がかえって症状を悪くすることがあります。コーヒーは食後に、飲む量は一日二~三杯をマイペースで飲むことをおススメします。

同じコーヒーでもカフェインの含有量が多いのはインスタントコーヒー。日本茶、紅茶など他の飲み物も視野に入れて考えると抹茶が最も多い含有量を持ちます。もちろんその分利尿効果などのカフェインの作用も強くなります。

疲れた時に一杯のコーヒーでホッと一息つく……心にゆとりをもって仕事に頑張っていきたいですね。

「ココアが健康にいい」という話題が電波に乗り、全国のお店からココアの姿が消えてしまった。メーカーから異例の広告「売り切れ、ごめんなさい」が発信された記憶はまだ新しい。森永製菓(株)では設備投資をし生産量アップを実現できるという。メーカーは体制を整え最盛期を迎えようとしているがココアは本当に健康にいいのだろうか。

ココアパウダーの三七%が天然の食物繊維。成人の一日当たりの日標摂取量は二〇~二五g。毎日ピュアココアを二杯飲むと約五~七gの食物繊維を摂ることができる。他の嗜好飲料と比べ、ココアパウダーをそのまま溶かして飲むココアはその成分をすべて摂取できる。また、ミネラルが豊富なこと、さらに食物繊維を摂ることが期待できる飲料はココアしかないという点で注目に値する飲料だ。

しかし、せっかくのココアも砂糖たっぷりで飲み続ければカロリーオーバーなど心配点も出てきてしまう。ココアとは甘い飲み物という概念を捨ててホロ苦い不老長寿の飲み物として味わいたい。

ココアは紀元前二〇〇〇年もの大昔から古代メキシコで「神様の食べ物」として大切にされてきた。原料になるカカオ豆はアステカ族の通貨として使われたほどだとも言われている。そしてその効力は「極度の疲労回復にこれほど効くものはない。また病気や傷にも効き、毒ヘビにかまれても死なない」とまで言われていたようだ。アステカの皇帝はココアを不老長寿の特効薬と考え一日に五〇杯も飲んでいたとされている。

コーヒーはブラック、紅茶だって砂糖抜き、もちろん日本茶には砂糖なんぞ入れる習慣がない。ではココアの場合、砂糖抜きでいただくと確かにかなり苦い。しかしコクのある味もオツなもの。苦い味がどうしてもダメなら牛乳で溶いたココアがオススメ。牛乳に含まれる乳糖ならココアのコクを甘味で消してしまうこともなく飲みやすい味わいになる。

3時に飲むお茶も足りない栄養を補給できる一杯なら最も効率的な「ホッとタイム」となるだろう。

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