成人病の現状 死亡原因ワースト3 ガン・脳卒中・心臓病

1997.01.10 16号 9面

医療ジャーナリストの長沢光男氏は先月行われた商品開発セミナー((株)ディーブ主催)において、最近の成人病をめぐる状況について要旨次の通り報告した。

日本人の死亡原因は一位がガン、二位が心臓病、三位が脳卒中という時代が長く続いていたが、現在では三位と二位が入れ替わった。一位のガンの死亡率は年間二六万人にものぼり、これは一五年間続いている。死亡には至らなくても、働き盛りの三人に一人がガンになっている現状だ。

ガンの中では男女とも胃ガンがトップで、男性の二位は肺ガン、女性の二位は乳ガンである。現在のガン治療は内視鏡を使用しての治療が増加し、小さな穴を三つ開け、そこから腹腔鏡、ライト、モニターなどで開腹せずに手術する方法。この手術のおかげで患者にかかる負担も減少した。

次に糖尿病患者は五〇〇万人ともいわれている。四〇歳以上の一〇人に一人の割合だ。

肥満は万病のもととなるが、現在は体脂肪率が計れる体重計が市販されている。家庭の手軽な健康管理として、ますます活用されるだろう。これは体重計に乗った足の裏から微量の電流を流し、どのくらいの電流が流れたかで脂肪率を計る。BMI24以上が肥満となる。

高血圧患者も相当数だが軽度の高血圧症の三分の一は、医師の白衣を見て血圧が上昇する白衣高血圧だと思われる。薬は効果的だが、これに頼るだけでなく最低一日おきに三〇分から一時間の運動をする習慣をつけたい。

神奈川県ではガンの告知をめぐって調査が行われた。ガン患者を看取った遺族の六割は告知を望み、医師や看護婦の八割は、進行度は知らせずに告知をして欲しいと望む結果だった。

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この報告を聞いた参加者はまさに働き盛りの男性。成人病は自分のすぐそばにあることを改めて認識したようだ。

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