平成便秘事情 もう便秘はこりごり、小学生も痔で悩み

1997.06.10 21号 2面

現代人の三人に一人は「痔主さん」。最近では「うちの子のお尻がおかしいのです」と言って、肛門科へつれられてくる小学生も増えているとか。「たいていは、かたい便が原因で、肛門の表面が裂けて出血したり、肛門の血管が異常に膨れ上がったものです。やはり食生活の変化のせいでしょう」と大腸肛門科・荒川医院の荒川健二郎院長。ハンバーグにカレーと食事の内容が洋風化し、食べ物のカスができないため、便の量が少なくなって“かたい便”しか出ないのだ。

「りきんでも便を出す力がどこかに逃げてしまう」「便が引っかかって出にくい」「肛門の前方や膣の後ろ側を抑えてりきまないと便がでない」と訴える中高年女性は多い。

「そのほとんどは、出産時に赤ちゃんが大きかったり、難産だった人。その影響が中年以降に出て、たるんだ筋肉や腱がりきんだ力を受け止められなくなってしまうのです」(荒川院長)。治療法としては、筋肉や腱を引き締める手術もあるが、ふだんの生活から、便をやわらかくする食事と排便のリズムを心掛けることが大切だ。

また、サラリーマンが定年後、生活のリズムが変わったところに、運動不足・飲酒・喫煙の悪条件で、重度の便秘になることも多い。さらに高齢になると、筋肉がゆるみ、腹圧がうまくかからなくなることがある。すると、排便でりきむ時、以前にもまして踏ん張ることになる。そのため、主血圧や心臓病などの持病がある人が、トイレのなかで倒れることが多いのだ。

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