飽食の裏側-食の再点検:植物油物語=不飽和脂肪酸が効果あり?

1997.09.10 24号 19面

家庭の台所では何種類の油を使用しているだろうか。サラダ油、ゴマ油、紅花油…それぞれの商品の特徴を生かす調理法があることは前回にお話した。今回は健康によりいい油を選ぶために、油が持つ特性を検証しよう。

油は動物性油脂と植物性油脂に分けられ、どちらの油脂もいくつかの脂肪酸で構成されている。脂肪酸はさらに飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸に大別できる。動物性油脂の調理用油といえばラードが第一に挙がるが家庭の料理ではあまり使用されない。しかし肉やバター、乳類などが動物性油脂で、その脂肪酸の多くは取り過ぎに注意すべき飽和脂肪酸だ。

家庭料理では植物性油脂の方が圧倒的に多く使用され、その脂肪酸は不飽和脂肪酸で構成されている割合が多い。

では不飽和脂肪酸とは何か? 一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸に分けられそれぞれの代表的なものとしてオレイン酸、リノール酸、リノレン酸が挙げられる。オレイン酸は悪玉コレステロールだけを低下させ、リノール酸とリノレン酸は体内のコレステロールを低下させる働きがあり、血圧を下げるのに効果的で動脈硬化や高血圧など成人病の予防に欠かせない成分だ。しかし「リノール酸の多い油だけ」「オレイン酸の多い油だけ」といった考えはバランスの悪い摂取法ともいえる。おもな植物油の脂肪含有構成(図参照)を参考にして適切な油を選びたい。

次回は、身体のタイプ別お勧めの油を分析したい。

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