魚油(DHA)が成人病に効果大 1日1度は魚料理を食卓に
一日の食事の中で魚料理を一回は加えたい。とくに青魚に多く含まれる不飽和脂肪酸であるEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)がこのところ以前に増して見直されている。「成人病を防ぐ神経細胞の活性化、動脈硬化予防に大いに効果がある」((財)相模中央化学研究所・矢澤一良農学博士)ことが認められたからだ。
この時期の自然界のドラマといえば、海洋で成熟したサケが産卵のために生まれ故郷の川へ遡上する姿だろう。今ピークは過ぎたがサケは産卵で北海道の各河川から日本海側は富山・新潟まで、太平洋側は青森から茨城県北部まで南下する。10月初旬に立寄った青森県では遡上サケの捕獲がピーク。県内の馬淵川、新井田川、奥入瀬で全収獲の九〇%を占める、という。「捕獲はまだまだ12月の初旬まで続く」(漁協組合)。そして採卵から授精作業、フ化した稚魚の放流が翌春、秋には成魚が川に還ってくるわけだ。
回遊している間に、成熟した魚体は銀白色、産卵が近づくと黄緑灰色に移るが、変色のちょっと前の銀毛(=銀白色、銀色のウロコが魚体を被っている)時が味覚上はベストという。これも遡上時の海水(塩分)と川の水に産卵前のサケの魚体が触れ、赤紫、黄緑灰色、濃灰色などまだら模様に変化する、この体色変化の移りごとに味は下がっていく。中身の中心部が深味のある赤であれば味は良く、腹の部分は身が厚いほど品質が優れているという。
なお魚肉一〇〇g中にDHAを多く含む魚のベスト10は、マグロ、ブリ、サバ、サンマ、ウナギ、マイワシ、ニジマス、サケ、アジ、アナゴの順。