おはしで防ぐ現代病 躁病・うつ病 予防には便秘解消が肝要
いま、躁病やうつ病は巽にあふれている。二○歳前後に多いほか更年期にもピークがあるので女性に多い病いともいわれるが、男女差はない。毎年春先や秋口などある決まった季節に症状が出現する「季節性うつ病」のほか、最近では社会の高齢化に伴い初老期や老年期の「うつ病」も注目されている。薬による治療が一般的だが、便秘の解消が肝要など生活レベルの改善が、予防と治療につながるという。西医学研究所渡辺医院の渡辺正院長にきいた。
Q 躁・うつの症状とは具体的にどんなものですか。
A 躁病になると、気分が爽快でよく笑いしゃべり続けます。「自分は将来、天才的な発明をする」「自分の本がベストセラーになる」などと公言したり。無遠慮で自制心の乏しさが目立ち、気も大きくなるので高価なものを他人に気前よく与えたりします。健康感にあふれ疲れません。朝早くから起き出して外出し不眠不休で飛び回ることもしばしば。
一方、うつ病は、気分は憂うつで、元気がなくなります。自信もなく、判断力や決断力が低下するため口数も減ります。取り越し苦労が多く何事もおっくうになって、仕事が手につかなくなります。身体的にも経済的にも心配がないのに「回復不能の重病だ」「貧しくて生活ができない」など悩む。不眠感も強く食欲も性欲もなくなり、体重もかなり減少します。
Q かかりやすい人はどんなタイプですか?
A 仕事熱心で凝り性、正直、几帳面、正義感や責任感が強くごまかしが効かないといった性格の人が陥りやすいといわれます。転居、転勤、出産、定年、近親者の死など人生の転機に発症しやすく、きっかけとなるライフイベント(家庭の行事)に注意していれば予防にも役立ちます。一般に治療法としては抗うつ薬や精神安定剤などが使われます。ただ改善には長年を要し、些細なきっかけで再発するので注意が必要です。
病気が進むと「躁病」では、家や職場で人と争ったり、仕事のやり過ぎ、飲酒量の増加、性欲のこう進など社会的な脱線行為が目立つようになります。また「うつ病」が進行すると自殺の恐れもあるうえ食事をとらないために衰弱します。このような場合には入院治療が必要です。
Q 私にも思い当たることが多いです。なんとか予防はできませんか?
A 「うつ病」も含め、精神的疾病はすべて慢性便秘症すなわち宿便停滞が根本的原因なのです。従って予防としては便秘を解消することが肝要。てんかんや脳梗塞や痴呆なども、排便に直接関係することが分かっています。そこで下剤で便秘を解消するのではなく食事(きれいな生水と野菜を摂る)と、運動で便通をつけ、宿便を出すことが大事です。食事療法や断食により宿便を出して体質改善をすることで血液循環を良好に、自律神経系統の調和、精神の安定がはかられ身心の症状がともに完治していきます。
(渡辺医院=東京・東中野 電話03・3362・9171)