味なCM=伊藤園「お~いお茶」
「なんてかわいい」とつい思ってしまった。同姓の記者でさえ、そう思う。男性諸君がそう思わないでか!……というテレビコマーシャルが伊藤園の「お~いお茶」の中谷美紀ちゃん。趣ある日本家屋(もちろん自分の家という設定です)で浴衣を縫っているシーンがそれだ。現実は毎日暑い日々、流れるテレビコマーシャルの涼しい清涼感に嬉しくなるのは私だけだろうか。
この清涼感はきっと軽井沢かどこかの避暑地で撮影したに違いないとは思いつつ伊藤園に聞いてみた。返ってきた答えは「東京都小金井市のお屋敷」だという。ふーん、素敵な家屋が東京にもあるのね、と感心してしまった。中谷さんも純日本風建築美に「古式豊かなところで撮影するのが夢だった」と語ったとか。
しかしいまさらながら日本のテレビコマーシャルはスゴイ。今回のロケだってカメラには写らないような小さなところまで「和の空間が生み出すやわらかな雰囲気をこわさないように」と畳や障子、すだれ、扇風機そして姿見などの調度品の配置、さらに風鈴の音などにも注意がされている。
ちょっぴり、ぐっと(?)きてしまう糸を歯でかみ切るシーン、さりげなく見えるが実は大変な苦労が。中谷さんはあらゆる糸の中から自分の歯と相性のいい糸を見つけるまで三〇本以上の糸をかみ切って決めたという。
恋する乙女なんて言葉が口につく。縁まぶしい日本家屋を舞台に、恋する女の子の飾らない美しさを表現する「お~いお茶」。やれやれ、ここで記者にも「休めって?」なんてコマーシャルのように言って欲しい。(ハナ)