おはしで防ぐ現代病:健康エコナクッキングオイル

1999.03.10 42号 15面

“体脂肪をつきにくくして、結果として身体の余分な中性脂肪を減少させる”‐‐そんな夢のような油がある。花王の「エコナ炒め油」シリーズは昨年5月、油としては初めて厚生省の特定保健用食品として許可され、注目を集めている。花王(株)食品研究所・安川拓次所長にそのメカニズムを聞いた。

Q…エコナオイルの正体は?

A…綿、コーン、オリーブなどすべての天然植物油脂に含まれる成分・ジアルグリセロールを主成分とした食用油です(約八〇%含有)。この成分の安全性は人類の長い食経験から確かです。ちなみに一般食用油(サラダ油、紅花油など)の主成分は、トリアシルグリセロールという身体の脂肪になりやすい成分です。

Q…なぜ脂肪になりにくい?

A…食事でとった油(中性脂肪)は、小腸で分解・吸収された後、再び中性脂肪に再合成されます。これが血液中に出ていき、体内でエネルギー過剰の時は、体脂肪として蓄積されます。

ところがジアルグリセロールの場合、中性脂肪に再合成されにくいという特徴を持っているのです。肝臓や全身の筋肉で燃えてしまうので、食後の血中中性脂肪量が低く抑えられ、この繰り返しが体脂肪の蓄積を防ぐのです。

Q…具体的にどんな効果が?

A…食後、血中に出てくる中性脂肪が一般の食用油に比べて約半分になります。

日本人の平均的な一日の脂質摂取量は五〇グラム、そのうちサラダ油摂取量は一〇グラムです。この一〇グラムを同品に置き換えて、三カ月連続使用すると、内臓脂肪も皮下脂肪も減少することも確かめられています。

現代人の食生活は油のとり過ぎを控えることが重視されるが、油は身体に大切な栄養素。必須要素を満たし、そのうえ体脂肪になりにくい同品を、健康維持に活用したい。

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