だから素敵! あの人のヘルシートーク:建築家・小林祥晃さん

2000.02.10 53号 4面

風水の第一人者Dr.コパさん。風水は日本でも古来から尊ばれ実践されてきている、そして今もって実社会を生きるための知恵だという。「家族が幸せでいられることが財産、すべてはそのための道具にすぎない」という風水の考えとは? すぐ実践できる術を含めじっくりと伺った。

僕は占い師の親分みたいに思われているかもしれないけれど建築家なんですよ。風水のことはオヤジから教わりました。それにおじいちゃんも建築家、代々建築家の家に生まれたもんだから家と方位の関係とか、大学の建築学科で教えてくれないことを子供の頃から教わってきているんです。戦後は特に風水とか、そういうことを無視する建築家が良い建築家だとされていたので学校では一切教わらなかったしね。でもね、日本はずっと昔から風水とともに暮らし、町が作られてきているんですよ。

父は「四〇〇年に一度風水を使って都市計画を考えなきゃいけない時がくる。お前はそういう時に風水が分かる建築家になれ」って僕にずっと言ってくれていてね。「四〇になったら本を書いたり、講演ができるような人間になるように環境を整えておくから」と、僕のために土地を見つけ引っ越しをして、部屋の配置、カーテンの色を決め、何を食べ、どんな色の服を着たらいいのかを教え、僕を作っていったんですよ。そしたら、僕は四〇になった時に突然本を書こうと思った。それまでは図面を描く仕事ばかりだったのに。

そして時代も風水を理解しようという流れになってきた。少し前までは風水は迷信だと思われていて説明するだけでも時間がかかったんです。父が言うように風水を考え直す時代がきたのかもしれないね。

父は二〇〇〇年という一つの時を「風水元年」だととらえていました。それは日本が風水や方位を使って都を移す、そんな年になるだろうということ。都を移すサイクルというのは大体四〇〇年なんです。奈良から平安にかけては少し短いけれど平安が七九四年、鎌倉が一一九二年、江戸が一六〇三年。ね、大体四〇〇年でしょう。そして二〇〇〇年がそろそろその時。今まさに東京遷都なんて騒がれているでしょう。これは風水的には当たり前のことなんですよ。

江戸幕府が成立した時に徳川家康は風水で都を作っています。江戸の町は小高い大地の山の手と呼ばれる所の下に窪地があって、南に東京湾がある。三方を山に囲まれ、南は開けて海につながっている。これは風水では一番住みやすい土地なんです。さらに関東平野を見てみると東から鬼門の方にかけて筑波の山、北に日光、ずーっと西から南西にかけて富士山、やはり三方を山に囲まれて、そして大きく太平洋に開けている。さて、家康はここで何をすればいいのか考えた。そして漁港の整理、東京湾の開拓をするんです。今の日比谷のあたりの入り江を埋め立てて、山の手に住宅を作り、江戸城から見て東に下町を作った。なぜかというと偉い人が西側にいると下々は幸せになれると風水で分かっていたからです。だから江戸城から見て東にお江戸八百八町があったんですね。

四〇〇年のサイクルで京都、鎌倉、江戸ってパワーのある町に時の政権が移ってきた。そして今回。残念だけれど日本には東京よりもパワーのある土地はないんです。それなのにヘタに遷都すると日本はダメになっちゃう。じゃ、どうするか、町を作り直すんですよ。都市計画を考え直してパワーを蘇らせなきゃいけない。例えば、僕たちは風水を考えないまま西に山を、つまり新宿に高層ビルを作ってしまった。金は西から甲州街道を通じて入ってくるのに遮られてしまった。そういうことまで考えた都市計画をやらなきゃいけない時期なんだよね。

二〇〇〇年は世紀末で「負けちゃいけない」が一つのテーマなんです。二〇世紀の最後を気持ち良く終わらせないといけない。今年負けちゃうと、二一世紀を負けからスタートすることになる。そして負けないためには今年のラッキーカラーのひとつのラベンダーが「絶対」の意味を持つんです。

今年の年末年始はマスコミが随分騒いだけれど、本当に大切なのは今度の大晦日から元旦の朝をどう迎えるかなんです。たとえ話でいうとね、マラソンに参加するとする。参加することに意義があるという人と絶対勝つつもりで全力で参加する人とでは結果に違いがあるでしょう。つまり二一世紀のスタートに、ただニコニコ笑って参加する人でいいのかってこと。そうならないために、負けないために今年は力をつけなきゃいけない。そのためにラベンダー色のパワーを利用するんです。二〇世紀の幸せの賞味期限はもうすぐ切れちゃうからね。

ご家庭で介護をしている方に一つアドバイスを。ポイントは枕の方向です。北枕は精神的にすごく落ち着く方向、東は自分で頑張ろうって気が起こる方向、南は自分のもっている知恵を生かそうとする方向だし、西は穏やかにぐっすり眠る方向なんです。自分でトイレに行こうって努力している人には東枕にして東のパワーを利用するといいでしょう。朝日をイメージする置物をおけばさらにいい。南枕ならその人が今まで蓄えてきた知恵を残しておきたいと思うパワーになるし。そばには才能を発揮できるようにグリーンを置いたり。精神的に穏やかに過ごしたいなら西枕。

介護する人も疲れないように、今年のラッキーカラーの金・銀・オレンジ・ラベンダーのどれかを身につけるといいですよ。枕の向きは健康な人にとっても同じです。達成したいことによって向きを変えて寝てみるといいですよ。

風水は北半球の学問なんです。太陽が東から昇る環境で考えられている。そしてとても平等。誰にとっても太陽は東から昇って西に沈むでしょう。これをどう利用するかというだけのこと。例えば西方向に一番ふさわしい色は黄色、西に黄色の物を置けば金運に恵まれます。それはね、昔は西に太陽が沈んだ頃、お父さんがお金を稼いで帰ってきたから。それから西を季節で考えると秋、秋は米の収穫時期でしょう。方位と色の関係も日本人にとって馴染みのある色だから、すっと覚えられるでしょう。

家はぐっすり眠ったり、家族みんなが健康においしくごはんを食べる場所でしょう。家を財産だと言う人がいるけれど、風水ではお金も家も洋服も食物も全部幸せになるための道具だと考えているんです。「家族が財産」だとね。すごくシンプルでしょう。

家のことでは九九年は東から、二〇〇〇年は西から幸運が来るから家の真ん中でちょうどぶつかる。だから家の中心をきれいにしておくといいですよ。まぁ、きれいな家に不幸ナシというからね。完璧である必要はないんです。できるだけ整理して、掃除してあるきれいさのこと。自分の幸せを呼び込む道具をきれいにしておくってことですよ。

僕自身はね、なるべく身体に厄をつけないように玄関のドアを毎日水ぶきしています。それと僕は神主でもあるので、毎朝必ず祝詞を大きな声であげるんです。健康法としてはお風呂で足の裏を一生懸命きれいにしている。風水は大地のパワーだから、足の裏をきれいにしておこうと思ってね。もしね、このところ調子が悪いとか健康に心配があるならお水をコップ一杯入れて東に置くといい。毎日取り替えてね。

幸せになるために生まれて来たんだから、幸せになるための道具を大切にする、きれいにすることは惜しんじゃいけない。ただそれだけのことですよ。

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