トピックス:ザクロに女性ホルモン作用があるか
ザクロは、古代ペルシャで「生命の果実」として珍重され、日本でも古くから食べられてきた果物。とくに昨今、ザクロには女性ホルモン(エストロゲン)様の活性があると注目され、さまざまなザクロ製品が人気を集めている。
ところが、4月6日に国民生活センターが「ザクロには、エストロゲンが検出されない」との発表を行い、全国に波紋が広がった。
これに対し、ザクロ100%濃縮果汁などを発売しているマルキン忠勇(株)は7日、同社ザクロ製品について、明らかにエストロゲンと同等の活性が存在する、と反論している。
「エストロンやエストラジオールは、動物の性ホルモンであるエストロゲンの一種。当社でも、平成9年度にすでに、(財)日本食品分析センターにおける分析の結果、ザクロエキス中には検出されないことを確認しています。しかしながら、当社では、以下の三種類の実験から、ザクロ(エキス)中には女性ホルモン(エストロゲン)と同等の活性が存在することを確認しました。
(1)エストロゲンレセプター(受容体)への結合活性の確認
ホルモンがその働きを表すためには、細胞に結合することが必要条件である。
βエストラジオールのエストロゲンレセプターへの結合を五〇%阻害する濃度で比較した結果、同社ザクロ製品および米国産生ザクロ果汁のいずれにもレセプターへの結合が認められた。
(2)細胞(MCF‐7)増殖活性
エストロゲン様の物質が存在すると、存在しない時に比べ目に見えて細胞増殖を起こすMCF‐7という特殊な実験細胞がある。
この細胞にザクロエキスを加えたところ増殖が認められたため、エストロゲンと同等の働きを持つ物質の含まれることが証明できた。
(3)卵巣摘出ラットの子宮重量増加試験
エストロゲンは、子宮の発育に必要な女性ホルモンであり、卵巣で作られる。卵巣を摘出したラットは発育ホルモンが作れないため子宮が発育しない。
卵巣を摘出したラットにザクロエキスを二八日間経口投与した後、各子宮重量を測定。その結果、三種類の濃縮エキスとも同程度の子宮重量の増加を認めた。
同社では、平成9年度からこの問題に取り組んでおり、社内外のデータを蓄積してきた。先の結果から同社ザクロ製品についてエストロゲンと同様の活性が存在すること、また同社ザクロ全品に同等の活性があり、製品間に差がないことが実証されたとしている。
▽マルキン忠勇(株)=06・6444・5465