おはしで防ぐ現代病:更年期障害

2000.07.10 58号 14面

更年期といえば女性特有のものと思われがちだが、男性にも存在する。女性の場合は閉経期前後の四二~五五歳くらい、男性は少し遅めのようだ。子供から大人へと移行する時期が思春期といわれるように、更年期にもさまざまな変化が表れる。更年期障害専門電話相談室を持つ誠心堂薬局の西野裕一社長に聞いた。

更年期に入ると、それまで行われていたホルモン分泌が変化し、身体が非常にアンバランスな状態になります。また人の身体は年をとるほど臓器が弱ったり、血が汚れたりします。東洋医学的には“肝”

の異常や“血”の汚れといわれ、循環が悪くなることと関係します。それらが引き起こすさまざまな不調が更年期障害です。

主な身体的症状としては、頭痛・めまい・貧血・耳鳴り・冷え・のぼせ・動悸・多汗・肩こり・頻尿・口渇・精力減退などが挙げられます。また、不眠・不安・イライラ・憂うつなどの精神的症状も表れます。

これらは内分泌の減少、各機能の低下(腎の衰え)から始まり全身に影響し、高血圧・高コレステロール・糖尿病などのさまざまな病気を併発します。

西洋医学的には、エストロゲン投与などのホルモン療法、精神安定剤・自律神経調整剤など、鎮静剤による処方が行われます。欧米ではホルモン治療が一般的ですが、日本ではホルモン剤の人体への影響を心配する人が多いため、あまり普及していません。最近では中国漢方薬の補腎薬が注目されています。

更年期といわれる五〇歳前後は、一般的に体力も低下しているため、不調が出やすい時期でもあります。肉体的にも精神的にも負担が大きいため、不安定な状態となりやすいのです。

しかし、更年期はだれもが通過する人生の節目。神経質になり過ぎず、常日頃の生活(食生活・ストレス)を改善し、自分の身体にあった処方を行えば、悩みを大きくし過ぎたり、終わっても引きずることはありません。

本人にしか分からない苦しさ、つらさもあり、精神面でのフォローも大切です。一人で悩まずにまずは専門家に相談をしてみましょう。

●誠心堂漢方研究会、更年期障害専門電話相談室 フリーダイヤル0120‐892193(平日10時~19時)。漢方無料相談も受け付け中。

「生殖を司る」といわれる腎の働きが低下すると更年期障害になりやすい。そのため「腎」を強化することは更年期障害の予防法、治療法にもなる。

漢方薬による治療としては、瓊玉膏(免疫力を高め身体の抵抗力を増進する)や婦宝当帰膏(身体を温め老化を予防する)などを中心に、その人の症状に合わせた薬が処方される。

食材としては、いま流行のザクロ、紅沙棘をはじめ、松の実、クコの実、ゴマ、クルミ、カボチャの種、ヒマワリの種、アーモンド、カシューナッツなどの種実類は腎を強化するのでお勧め。油っぽい甘いおやつを控えて、種実類をそのままおつまみとして食卓に登場させよう。

また食養生では、黒いものが腎を補うといわれる。黒豆・黒ごま・黒きくらげ、のりなどの海藻類も積極的にとろう。

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