オレはカビだ・梅雨時ヘルシーライフ 煮ても焼いても食えぬヤツ
いくら人間にとって有害な種類のカビといっても、実は問題なのはそのカビ本体ではない。カビは生きていく上で自分の身を守るために“カビ毒”という代謝物を出す。怖いのはこのカビ毒の方で、これが人間のアレルギーやがんを起こしたり、近年では新型兵器としても使われるほどの威力を持つ。
カビ毒は細菌と違って高温でも死滅しない。たとえば、マイコトキシンという食品につくカビのカビ毒は二〇〇度で四五分ほど加熱してようやく減少しはじめる。茹でる、炒める、炊飯などのごく一般的な家庭の調理方法でカビ毒を減らすことはできない。
カビ毒による被害を避けるには、最初から『カビを付けないこと・生育しないうちに食品を早く使い切ること』に尽きるのだ。