季節を楽しむ漢方スローライフ(30)敬老の日
「素揚げ長芋とブロッコリーのホタテあんかけ」
「イスクラ衛益顆粒」
●敬老の日 9月17日
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9月の第3月曜日は「敬老の日」。その由来は古く、聖徳太子が身寄りのない老人のために救護施設を開いた日とも伝えられています。はるか昔から受け継がれている思いやりの気持ちを大切にして、おじいちゃんやおばあちゃんが笑顔になるような、心のこもったお祝いができたら素敵ですね。
◆エイジングケアは「腎」の元気から
年齢を重ねても、ずっと元気に若々しく。その願いは、いまも昔も変わることのない永遠のテーマです。中医学(中国の伝統医学)でも老化を防ぐ研究がさかんに行われてきました。
加齢とともに気をつけたいのは、まず健康を支える五臓(肝・心・脾・肺・腎)の衰え。五臓の働きが低下すると、物忘れや排尿トラブル、不眠、足腰の弱りといったさまざまな不調が現れます。中でも「腎」の衰えは老化と深い関わりがあるため、中医学では、腎を元気に保つことがエイジングケアの基本と考えます。
また、加齢によって体内の「気(生命エネルギー)」が不足すると、免疫力が低下して病気にかかりやすい体質に。老化に対する焦りや不安から気持ちが不安定になったり、脾胃(胃腸)の働きが低下して消化不良や便秘になるといった症状も、加齢によって身体の機能が衰えているサインです。
◆老化のスピードを穏やかに
老化の症状は、年齢を重ねることで誰にでも現れるもの。老化を止めることはできませんが、食事に気を配る、適度に身体を動かす、ストレスを上手に発散する、そうした日常の心がけで老化を穏やかにすることはできます。
セルフケアのポイントは、腎を元気に保ち、脾胃の働きを高めて気を充実させること。おすすめの食材は、腎の働きを高める長芋、ホタテ、にら、黒ごま、ぶどう、豚肉のほか、脾胃を元気にして気を補うブロッコリー、にんじん、しめじ、かぼちゃなど。青じそやしょうがなど香りの良い薬味をプラスすれば、食欲アップに効果的です。
漢方では、気を補い不足しがちな衛気(免疫力)を高める『イスクラ衛益顆粒』がよく使われます。
<監修>鄒大同(中医学講師・医学博士)
●ハレの日薬膳レシピ:「素揚げ長芋とブロッコリーのホタテあんかけ」
腎の働きを高める長芋、ホタテを、気を補うブロッコリーとともに
〈材料・2人分〉
・長芋………………………200g
・ブロッコリー……………100g
・干し貝柱…………………2個
・片栗粉……………………大さじ1
・揚げ油……………………適量
A・干し貝柱の戻し汁+水…1.5カップ
A・日本酒……………………大さじ2
A・塩…………………………小さじ1/2
〈作り方〉
(1)干し貝柱を1カップの水に5時間ほど漬けて戻し、手でほぐす。戻し汁は水を足して1.5カップにする。
(2)長芋は皮をむいて乱切りにし、ペーパータオルで水けを拭き取る。160~170度Cの油できつね色になるまでじっくり揚げる。ブロッコリーは小房に分けて塩茹でする。
(3)鍋にAとほぐした干し貝柱を入れて煮立たせたところに、大さじ2の水で溶いた片栗粉を加えてまぜ、とろみをつける。
(4)器に(2)の長芋とブロッコリーを盛り付け、(3)のホタテあんをかける。
レシピ担当:鈴木理恵(国際薬膳師、管理栄養士)
●季節のオススメドリンク
晶三仙 消化を助けるサンザシ、麦芽、神曲(しんきく)が配合されています
●長芋は、生でも食べられる唯一の芋。ジアスターゼが消化を助けます。
カレンダーの中からハレの日や旧暦の行事を見つけたら、その由来をお話ししませんか。季節の移ろいを楽しみながら。