ゆでるとどうして赤くなるの? エビの不思議、あれこれ 冬の方が甘くなるってホント?

2016.11.01 256号 02面
バナメイエビ

バナメイエビ

グリーンアイASC認証・ベトナム産バナメイえび  左から「むきえび(10尾)」「殻付えび(12尾)」

グリーンアイASC認証・ベトナム産バナメイえび  左から「むきえび(10尾)」「殻付えび(12尾)」

 フライに天ぷら、カクテルにアヒージョ…エビがテーブルにあるだけであっという間にテーブルが華やぎますよね。でも、ひと口に「エビ」と言っても、いろいろな種類があります。「よく使うあのエビ、なんて名前?」「どうしてゆでると赤くなるの?」–知っているようで知らないエビのお話です。

 ●泳ぐエビと歩くエビ

 世界のエビには、クルマエビのように泳ぐ種類と、イセエビのように歩く種類があり、合わせると約2500種類にのぼるとか。泳ぐエビでは、アマエビのような小エビ類が約1600種類を占めます。歩くエビには、オマールエビとも呼ばれるロブスターを含むザリガニ類が約300種類。

 ザリガニってカニじゃないの? ハサミも持っているし…そんな疑問もわいてきますね。エビ、ヤドカリ、カニは分類学的には節足動物門甲殻網十脚目としてまとめられ、大きく言えば同じ仲間。腹部(しっぽの部分)が発達したのがエビ類、その部分が右巻きにねじれているのがヤドカリ類、腹部が腹側に折り畳まれているのがカニ類で、これらの間には移行型の種もあるそうです。

 「エビ類」に話を戻すと、英語では泳ぐエビはシュリンプ、イセエビなど歩くエビはロブスターと呼ばれます。

 ●バナメイエビ復活物語

 泳ぐエビ、シュリンプの中で、現在の私たちの食卓に最も登場する機会の多いのがクルマエビ科のバナメイエビ。1990年代に養殖のバナメイエビが登場して、エビは毎日の食材としてぐっと身近な存在になりました。甘味がとても強くうま味もあり、値段も手頃だったからです。なぜ低価格で提供できたかというと、それまで主流だったブラックタイガーより同じ場所で3倍も多く飼育できたからです。

 ところが2013年、主力産地のタイで原因不明の病気により生産量が激減。かつての登場頻度もお手頃のお値段も一時期、消え失せてしまいました。その後、研究を重ね適正な割合での飼育にシフトし、インドやベトナム産のバナメイエビが流通するようになりました。

 これらの経緯を踏まえても、適正な条件、地球レベルで持続可能な方法で育てられたバナメイエビを選ぶことが、豊かな地球と食生活のために大切なことだと分かります。

 ◆ASCマークって何?

 日常生活で消費しているシーフードには、海や川で獲られた天然の魚や貝と、人の手で育てられ流通している養殖の魚や貝があります。この「養殖」が、世界の水産物の約半分を占めるほどになっていますが、中には海洋環境の悪化、餌となる天然魚の過剰利用、養殖魚の脱走による生態系の攪乱など、環境に悪影響を及ぼすケースが少なくありません。

 世界人口の増加が予想される中で、養殖水産物は貴重なタンパク源であり、引き続き消費の拡大が見込まれています。安定的な食糧供給の観点からも、養殖業を持続可能な形で行いながら、そこに従事する人たちの暮らしに配慮することが求められています。その手段の一つが、「ASC(Aquaculture Stewardship Council=水産養殖管理協議会)」の認証制度。環境に大きな負担をかけず、地域社会にも配慮した養殖業を認証し、「責任ある養殖水産物」であることが一目でわかるエコラベルなのです。

 ●もっとくわしく!「ASC」

 http://www.wwf.or.jp/activities/nature/cat1136/asc/

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 ◆グリーンアイASC認証・ベトナム産バナメイえび

 「むきえび(10尾)」398円

 「殻付えび(12尾)」398円

 ○安全・安心

 ・2015年4月、ASC認証取得

 ・抗生物質、抗菌剤、成長ホルモン剤、酸化防止剤不使用

 ・ベトナム中部・フエにて、餌工場、孵化工場、養殖場、加工工場まで完全な一貫生産をしています

 ○おいしさ、新鮮さ

 ・海水養殖なので、うま味成分であるアミノ酸値が高い

 ・高鮮度を保つため、池上げ後、即時に氷締めして30分で工場搬入、その日のうちに加工処理しています

 ・もとから色が濃いので、加熱するとより赤みが出ます

 ○Topic1:エビの味が養殖でも変わらない理由

 その秘密は、含まれる脂肪分にあります。魚・肉などは養殖時の飼料に由来する脂肪からくる匂いがあり、天然のエサを食べているものと違い、味覚に影響を及ぼします。それに対して、エビには脂質はわずかしかなく、味はタンパク質を構成するアミノ酸によるものなので、天然も養殖も味は変わらないのです。

 ○Topic2:コレステロールが多いってホント?

 かつて貝類・エビ・カニ・イカは、コレステロールの多い食品と言われてきました。これはコレステロールによく似た構造式を持ったステロール類までも含めて測定していた古い時代のこと。エビなどはステロール類を多く含みますが、ステロール類をコレステロールとともに食べると、コレステロールの腸管からの吸収が阻害されることも明らかにされてきました。

 ○Topic3:エビはゆでるとどうして赤くなるの?

 エビは、アスタキサンチンなど数種のカロテノイドを含みます。生きているエビの色はアスタキサンチンとタンパク質が結合した物質の色。そのため、緑・紫・褐色などさまざまな色合いになります。加熱によってタンパク質が変化し、アスタキサンチンとの結合が切断されることによって、アスタキサンチン本来の赤い色になるとされています。

 ○Topic4:エビの甘さは季節で違う?

 エビの甘み、季節で違うように感じることがありませんか? エビの甘みは含まれているアミノ酸類によるものですが、実はその内容は季節によって変化します。冬期にはグリシンというアミノ酸、夏期にはベタインというアミノ酸を含むため、夏よりも冬の方が甘みが強くなると感じる人も。

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